14「魔法実証」
主にヘルミーネがラーデルの魔法に興味がある。
一番解り易いのは攻撃魔法だろう。
さすがに街中でそんな魔法をぶっ放す訳には行かない。
多少何かあっても大丈夫なように街の外へ出る事にした。
街の外へ出て来たmass-crimson一行。
取り合えずそこらへんの立ち木を的にする事にした。
魔法は基本的に攻撃魔法と癒し魔法に分かれる。
つまり文明や生活という土台があるから、派生してきた歴史がある。
「ラーデル君、まず私が見本を示します」
ヘルミーネが基本攻撃魔法を披露して、ラーデルとの違いを検証する事にした。
「炎よ、我が指し示す的を焼き尽くせ! ファイアーボール!!」
ヘルミーネの持つ杖の先にサッカーボール大の炎の塊が出現し、立ち木に飛翔して的は炎に包まれた。
「このままじゃ立ち木を焼き尽くしますから、一端火を消しますね。 水よ我が前に集まり燃え盛る的の火を消せ! ウォーターボール!!」
ヘルミーネの持つ杖の先にサッカーボール大の水の塊が出現し、燃え盛る立ち木に飛翔して立ち木を水に包む。燃え盛る炎は鎮火したようだ。
「どう? これが魔法という物なんですよ」
「次は俺の番ですか」
俺は体内を巡る魔力を掌の先に集め、炎のイメージで属性を与え、発射した。
ドシュン!という音とともに、立ち木は一瞬で燃え尽き消し炭になる。
「「「凄い……」」」
「私の魔法より強力ですね、いえ一段上の魔法と言うか」
ひょっとして魔力をとことん圧縮すれば核爆発だって起せるのかも。
そんな気もしてきた。
「次は水の魔法ですよね」
俺は立ち木だった消し炭の辺りに、大量の魔素が集まるイメージをして水の属性を与える。
「水!」
ドッパーーーーーーン!!!!
的の辺りからいきなり大量の水が出現して、辺り一面を水浸しにする。
「「「水までも……」」」
「私の魔法より強力じゃないですか」
ひょっとして超圧縮を与えるとウォーターカッターも出来るかも。
そんな気もしてきた。
「次は土魔法ですね?」
俺はドリルをイメージして、次の立ち木を的にして穿つイメージを上乗せし、土の属性を与える。
黒く硬質な螺旋の付いた筍のような物が高速回転でドヒュンンと飛び、立ち木にぶつかりギャギャギャギャーンと削り倒す。
「「「何だ、ありゃ!!」」」
「私の石飛礫より強力ですね」
ひょっとして土魔法ってゴーレムや巨大ロボット作れるのかも。
そんな気もしてきた。
mass-crimsonの一行は目を丸くして呆然とするばかりだ。
「本当に魔法詠唱をしていない……」
「無詠唱魔法だと全てが強力になるのか?」
「何で戦闘中にこれほどの魔法を使わなかったの?」
「色々イメージしてるより、体を動かす方が早いから……」
皆は全て納得したようだ。
現実がすべての疑念をふっ飛ばしてしまったようだ。
「えーと、次は魔法剣でも作りましょうか?」
「魔法剣だって???」
「魔法剣って、ちょっとラーデル君、噂にしか聞かない希少アイテムですよ?」
俺は自分の剣に魔力を流し、電気の属性を与えてみた。
剣は強力に帯電し、パリン、バチンと放電まで始めてしまった。
剣を立ち木に向けると、雷のように一気に放電する。
次の瞬間、バリバリバリバリ、ドーーーンという爆音とともに木は真っ二つに裂かれている。
「「「本当に魔法剣だ……」」」
魔術師であるヘルミーネは言葉が出ない。
本当に魔法ってイメージ次第で何でも出来るんだ。
但し、膨大な魔力がないと駄目そうだけど。
「私でも無詠唱魔法が使えれば、同じような事が出来るのですか?」
やっと言葉を取り戻したヘルミーネは聞いてきた。
「俺でも出来るんだから、たぶん出来るようになりますよ」
「『たぶん』って何だよ!」
ルグリットが食って掛かる。
「まあまあ、私達だって方法を知れば強くなれる可能性があるって事だよ」
「そのためにも、もっと練習しなくちゃなりませんね」
「今までラーデル君がソロだった理由は解った、でも何でギルドレベルが銅ランクDレベルだったの?」
実力の割りに冒険者ギルドレベルが低い事が不思議なようだ。
「ギルドに登録してから日が浅いもので」
「とにかく私達って、凄い拾い物をしたって事よね?」
「ラーデル君を物扱いは失礼だよ」
「私、パーティーリーダーを譲ろうかな」
「私、ラーデル君を師匠に仰ぎたいです」
次の日から、討伐レベルを上げて俺達mass-crimsonはガンガンとレベルを上げていった。
冒険者ギルドレベルもじきにに上がって銀ランクCレベルに。
最早この街では、上級の実力を誇る冒険者パーティーにのし上がり、名も売れた。




