第五話 「奇襲の行方」
第五話 「奇襲の行方」
────ブチィィィィッッ
何かが潰れたような音がした。
その瞬間、零治から血が飛び散り残酷な死体が増え現場は硬直してしまった。
何故気付かなかったのだろうか。そこにいたのは、数々の戦いに打ち勝って生き延びてきた強力な戦士達。これくらいのこと、気配で分かるはず。実際に零治は、いち早く群れの位置を把握していたのだ。
しかし、零治だけでなく他の戦士もその奇襲に気付かなかった。数が少ないとはいえ、これだけ開けている土地で不可解な行動にでる敵何ぞ、誰か一人は気付くはずだ。それだけ、突如出現した高速リーダー狼に気をとられたということだ。
人々は未だに硬直している。
何故か?
それは、誰もが予想出来なかったことが起こっているからだ。
「あ、危ねぇっ・・・。」
零治は掠れた声でそう言った。
後ろからの奇襲で死んでしまったと思われた零治は、背中に傷はなく、前からの攻撃にも間一髪避けられていたのだ。
奇襲をかけてきた狼の眉間には矢が刺さっている。聞こえた音も、飛び散った血液も、零治のものではなく狼のものだった。
「零治君、大丈夫ですか!?」
背後から声が聞こえる。この声は、関西からの戦士で尚且つ弓持ちの少女、花知咲のものだ。
狼に刺さっている矢は、彼女が放ったものだろう。
零治は命を救われたということになる。
「リーダー狼は避けられたせいで怯んでいます。チャンスです!」
またもや、花知咲さんの的確な指示。零治はそれに従うように行動した。
二回転の連続攻撃を腹に打ち当て止めをさし、未だ硬直しているしている戦士等に指示をした。
「リーダー狼は倒したぞ!俺も無事だ。さあ、ラストスパートだ!」
それを聞いた戦士達は、また先程どおり戦い始める。
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「これで、最後だあああ!」
関西からの戦士で零治の幼馴染み、海の攻撃で戦いの幕が閉じた。辺りを見回しても狼は一匹も残っていない。
対岸では、これまた関西からの戦士、南優芽がこちらに向かって手を振っている。あちらも上手く行ったのだろう。
「一応聞いておくが、死んだ者または重傷を負った者はいないか?いたら無理せず言うんだ。」
「大丈夫、みんな無事だよ。」
「わかった。でも、一度村に帰るまでは別行動禁止だ。それじゃあ行くぞ。」
任務が終了したので一度村に帰ろうと思う。長い戦いでみんな疲れはてている。今日はもう休むのが先決だろう。
「零治君。君は大丈夫なんですか?背中に怪我とか。」
今日何度も聞いてるその声はやはり花知咲さんだった。
「一応怪我はないよ。というか、さっきは助けてくれてありがとう。真面目にあれがなかったら死んでいたかも知れない。」
「いえいえ、あなたがリーダー狼を倒してくれなかったら、いっぱい怪我人が出てしまったはずです。こちらこそありがとうございます!」
そんなことはない。俺の不注意をサポートし、命を拾ってくれたのは紛れもない彼女だ。
本当に気を付けなければならない。
「しかし零治、らしくないね。あんなに近くに迫ってきていたのに気付かないなんて、もしかして疲れてる?」
海が話しかけてきた。こいつはこの中で誰よりも俺を知っている。確かにケアレスミスは俺らしくない。
「そうだな。
今回は反省点がはっきりみ..え...た.....な.....。」
「れっ、零治大丈夫か!?しっかりしろ!」
「おでこが熱い、熱があります!」
疲れはてたのか、零治は倒れてしまった。
to be continued
僕の文章って「~だ」とか「~た」とかで終わるのが多いらしいですね、指摘受けました。
なるべく違和感のない文章にするため頑張ります。




