第四話 「狼型エネミー討伐作戦」
更新遅れてすみません!orz
忙しかったんです(言い訳
第四話 「狼型エネミー討伐作戦」
────ビュオオォォ
俺達は、近くに出没したエネミーを倒しに来ている。出没したところの近くの台地で待ち伏せしているところだ。
「今、風の流れが少し歪んだ。」
零治は独り言のような小さな声で呟いた。
今、確かに歪んだ。恐らく群れが移動したのだろう。
もともと俺はコミュ障だから、今回のように大部隊で狩りに行くことはなく、いつも一人で戦ってきた。だから敵察知や遠距離、近距離攻撃など大部隊なら役割分担するようなことは、基本全て一人で担える。伊達に関東一の称号を持っている訳ではない。
敵は風向き的に北北東の方向から、数は100匹くら・・・
零治は敵の方向と数を報告しようとしたが、他の人の言葉に遮られてしまった。
「北北東から107匹のエネミーが来ています!
攻撃準備をしてください!」
遮ったのは、関西の戦士の一人、花知咲未来の言葉。しかも、伝えたかった内容が零治のものと同じで且つ、零治のものより少し詳しかった。
何でだ!?何で解ったんだ!?
花知咲さんも俺と同じように風向きで察知したのか!?
そんなはずはない。だって俺にはあの・・・
いや、考えている暇はない。それより今は戦いに集中しなければ。
「群れは俺達に気づいていない、奇襲をかけるぞ!弓持ちの奴は集中しろ、出来るだけ弱点の眉間に当てるんだ!」
エネミーは共通して眉間が弱点。頭部は遠距離でも近距離でも当てづらいが、かなり弱体化するから積極的に狙うのが吉だ。
「今だ、射て!」
群れが二つの台地の間に入った瞬間、攻撃合図を出した。一斉に放った複数の矢が狼型エネミーの群れを襲う。
次第に列が崩れ始め、混乱状態に陥っている。ここまでは予定通り。
しかし・・・
「零治、あそこ見て!ヤバイことになってるよ!」
焦って話しかけてきたのは、隣にいた海だった。
何事かと思いその方向を見た瞬間、現場にいた全ての人が絶句した。
狼等が、ものすごい跳躍力を見せて台地に上がってきたのだ。勿論対岸の台地も同じことが起こっている。
冷静になって早急に対応しなければ・・・
「作戦変更だ!半分は遠距離隊の護衛に中れ、残りは跳んでくる敵を片っ端から片付けろ!」
遠距離隊のほとんどは近接に弱い。この分担方法で行き、弓持ちはサポート役に徹してもらおう。
「「「うおおおおおおお!」」」
作戦を聞いた近距離隊はすぐに行動にでた。零治の後ろには雄叫びをあげながらついてくる。そして、群れとぶつかり合った。
剣、刀、斧、その他色々な武器を持った戦士達は、それぞれ持ち前の武器で狼を薙ぎ払っていく。群れの方が、自分たちより圧倒的に多いが、弓矢によるサポート、そして関西からの増援による優秀な戦士達のお陰でかなり優勢に戦えている。
対岸には、轟や南優芽がいて、あちらも見た限りいい感じに戦えている。あの跳躍力は予想外だったが、死亡者もまだ出ていないしいい調子だと思う。
といったところで、零治の前に他とは桁違いの速さで向かって何かが向かってきた。零治はひらりとかわしたが、かなりギリギリだった。
「やっとの、お出ましか。」
周りで戦っている中で目立った行動で現れたのは、最初、群れの先頭で走っていた群れのリーダーだ。
向かってきたとき、いち早くリーダーがどいつか確認していた零治はすぐにそれがわかった。
────グルラァァァァ!
リーダー狼は直ぐ様、零治に襲いかかった。零治も交わし、剣を振るうがなかなか当たらない。
さっき言ったとおり普通の狼とは違い、こいつは桁違いに速い。さっきまでのように、そう簡単にうまくはいかない。
零治とリーダー狼の一対一の戦いは、なかなか決着がつかない。零治はそれに集中しすぎて、背後から忍び寄る狼に気付かなかった。
「零治、危ない!後ろ!」
それに気付いた海はすぐに助けに行ったが、一足遅かった。
零治はリーダー狼と背後の狼に至近距離で挟まれている。
「し、しまった!」
────ブチイイィィィィッッ
零治の背後からそんな音が鳴った。
to be continued