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アビリティドラッグ  作者: 破落戸(ごろつき)
第1章 リサーチャーブロール 1部
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第三話 「今回の任務」

第三話 「今回の任務」







「ふう、結構歩いたけどあとどれくらいで着く?」

「あと10分位だ。というか、全然歩いてないぞ。近場だし。」


今日、俺達は狼型エネミーの群れを討伐しに来ている。関東の避難村『ミレルヴァ』の周辺に、それらが出現したのは以前話しただろう。

当初の目的通り、遠くから増援に来てくれた関西からの戦士達と協力して群れを討伐しに来ているところだ。


今回の討伐作戦になかなかの人が参加してくれたが、群れがどれほどのものなのかまだ分かってない、目撃情報だけを頼りにすると恐らく戦力不足だ。

関西一のパーティーと関東一の戦士、菊屋零治(きくや れいじ)にかかっている。




「そういえば、零治くんって一年前のあの日はどんなところに居たのですか?」


そう聞いてきたのは、関西から来た戦士の一人で茶髪ロングの、花知咲未来(かちさく みらい)だ。

あの日とは、エネミーが突如出現したくさんの被害がでた発端の日のことだろう。


「花知咲さんだったかな?どんなところってどういうこと?具体的に。」

「未来でいいですよ。私達はみんな同じ高校で、そのときも高校にいました。私達はその日3人で一緒に避難所に逃げていて、そのままパーティーを組むことにしたんです。私達はそんな感じだったから、零治くんも何かないかな~って思いまして。」


コミュ障にいきなり異性を名前呼びしろだなんて無茶だぞ。

一年前のあの日か・・・


「奇遇だな、俺も高校にいた。でもまあ一人だったな。轟とはミレルヴァに来てから知り合ったしな。」

「コミュ障だから一人だったんでしょ?(笑)」

「本当に(かい)はいちいち口を挟むよな。ていうか、三人とも同じ高校だったんだな。」

「しょうだよ!みんな初対面だったけど、すぐに仲良くなったよ!彼氏きゅん♪」


「なるほど。でもさ、女の子なのに戦うなんてすごいよな。結構勇気いるんじゃないか?」

「いきなり家族も居場所も無くされて、黙ってられないなって思ったんです。それに弓道をやっていたから、何かの役にたてると思ったのですよ。」

「私の『彼氏きゅん』発言をスルーしにゃいでよぉ。いじわるぅ。」

「いちいち突っ込んでいたら、話のペースをとられるからな。あと、俺はお前の彼氏じゃない。」

「ツンデレだなぁ~。もっと素直でいいんだよ?」

「はいはい無視無視。」



あの南優芽(みなみ ゆめ)とかいうぶりっ子、めちゃくちゃうざいな。でも、馴染んでいくためにはこういった雑談も大事なのか。

しかし、一年前のあの日か・・・






────────────────────────




「よし、この辺りで作戦を開始しよう。まず、作戦のおさらいだ。」



ここは見渡す限りの草原。だが、少し植物の背が高いので見通しが悪い。そこで、近くに周りよりも一段地面が高い台地のようなところが二つあるので、それを利用しようと思う。


まず二手に分かれて台地に身を伏せる。群れを見つけたら、遠距離係が先制攻撃をして列を崩す。

弱ってきたら、近距離係が一気に畳み掛ける。


単純過ぎる作戦だが、これを逃すと村が危ないので、一刻も早く対処しなければならない。


「出来るだけ作戦に進めろ。もし万が一のことがあったら、フォローし合い臨機応変に対応しろ。

それでは、作戦を開始する。全員定位置に着け!」

「「「おおー!」」」


零治の合図とともに作戦が開始された。

一同は大きなかけ声で定位置に走っていった。みんなの気合いは十分にある。


「さすがだ、関東一と言われるだけあるね。作戦もリーダーシップもいい感じだよ。コミュ障なのに。」

「群れならリズムを崩して混乱させるのがいいと思ったんだ。あと、一言余計。」


いつもどおり余計なチャチャを入れて話かけてきたのは、零治の中学の同級生の貞村海(さだむら かい)だ。そいつも関西一と言われるだけあって落ち着いている。


「ねえ、万が一のことってどういうこと?大失敗したとき・・・ていう訳じゃないんだよね。」

「ああ、お前達が来る前の出来事なんだが。前線以外の場所で青エネミーに会ったんだ。」

「え、それって中ボスレベルの相手とその辺で出会したってこと?」

「そうだ、研究者組織も本気を見せてきたんだ。安全な場所も少なくなってきてる。気をつけろよ。」

「了解。それじゃあ一丁頑張ろっか!」

「当たり前だ。」

「だからそこは、『おう!』って言うところなんだけどなあ・・・。」


こうして、作戦が開始された。








to be continued

次回、戦いますっ!

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