第十話 「遊園地へ向かう途中」
頻度上げるとか言っておきながらまた長い間放置してしまって申し訳ございません!
第十話「遊園地へ向かう途中」
作戦当日になり、幹部基地へ向かっている零治たち。この前の作戦のときより私語が少なく、緊張しているようだ。
基地へ向かう途中、狼エネミー討伐のときの草原を通った。もちろん整備を全くしていないので、死体は無惨に放置されたまま。微妙に漂う血の匂いがよりグロさを際立たせている。
「おお、かなり気持ち悪いねこれ。自分達が殺ったとはいえ、食欲を踏みにじるような光景だよ。」
「遊園地周辺はもっと死体だらけだぞ。これくらいで同様してたらそこで気絶するんじゃないか?」
「いや大丈夫だよ。僕らだって関西一っていう称号を持ってるくらいなんだから、何回も見たことあるよこういうの。」
─────ガサササ
「・・・海、聞こえたか?」
「これは予想外だね。まさかこんなにも早く出会すなんて。」
聞こえてきたのは草の音、エネミーがこちらに気づいて移動したのだろう。幹部基地では苦戦を強いるはず、最低限体力は残しておきたい。
こんな序盤から戦うのは後のことを考えると避けたいのだが、放っておく訳にもいかない。
「敵は恐らく2,3匹だ。ここは俺が片付ける。」
「待って菊屋君!」
そう呼び止めたのは情報屋の白城さんだ。零治は抜きかけた剣をなおし彼の方を見る。すると、草から出てきたのは3匹の犬だった。
目は金色ではなく黒目、身体の大きさも普通サイズ、エネミーではないようだ。
「よしよ~し、恐くないよ。
うんうん!いい子だねえ~。」
白城さんは犬たちを撫で、あっという間に手なずけた。
「エネミーではなく普通の動物か。珍しいな。」
「確かに、今いる動物のほとんどがエネミーですからね。まだ毒されてない動物がいるとは、正直ほっとしました。」
「結構すぐに手なずけていたけど、動物飼ってたりしてたんですか?」
「実は東京で動物園の園長をしていたんですよ。」
「えぇー!しゅごいしゅごいしゅごーーーい!」
南優芽がいきなり大声を出して突っ込んできた。それに驚いた犬たちは逃げ出してしまった。
「おいバカかお前は!犬逃げ出してしまったじゃねーか!」
「あ、しまった!だありんっ許してにゃん♪」
「てめえ、殴り飛ばすぞ・・・!」
「まあまあ落ち着いて。園長をやってたから、いろいろな動物のたくさんの知識があるんですよ。白城動物園というところでしてました。」
「私行ったことあるよぉ!」
「本当ですか!いやー有難い限りです。」
「今回は緊張感があって静かだなっておもってたが、結局こうなるのか・・・。」
「関西でも優芽はこんな感じだったよ。緊張感のある作戦なんてはほとんどなかったよ。」
「お前らそれでよく生き残れたな。それだけ実力があるってことか。」
「前回は増援に来たはずなのに、零治が無双してたからね。今日は零治より目立つつもりだよ。」
零治らにつられて、ほかの数十人ほどのメンバーも雑談をしながら歩いていった。緊張感もほぐれて結果良かったのかも知れない。
────────────────────
気がつけばもう廃都に着いていた。ここを通り抜ければ遊園地はもうすぐなのだが・・・。
「みんなちょっと聞いてくれ。」
「零治君どうしましたか?」
「ここの周辺で、俺は前に青エネミーと出会した。今から武器を構えながら慎重に進んでいこってほしい。」
先ほど失われた緊張感はもとにもどり、一気に静まりかえる。そして次々と武器を取りだし始めた。
「零治くんが青エネミーと出会したところって、もしかしてあそこの交差点ですか。」
「花知咲さんは本当に勘が鋭いな。そう、ちょうどあそこで引き返したんだ。」
「今もたくさんのエネミーの気配がしています。苦労しそうですね。」
「まあ、狼エネミーのときより総員は多いから、それをどう生かすかだな。
よしっ行くぞ!」
零治の合図により、一斉に戦士たちは交差点に飛び出した。予想通エネミーたちがうじゃうじゃ湧いてきた。また、ビルの高いところからもエネミーが跳んで襲いかかってくる。
最初に動いたのは花知咲さんだ。跳んできたエネミーの眉間を正確に仕留める。空中で矢が刺さったせいで、血が溢れだし雨となる。弱点を突かれたエネミーは地面に落下すると同時に完全に潰れていく。そんな光景を見向きもせず倒すことに集中していた。
「とりゃああああああっ!」
声を上げながらエネミーに突進しているのは、短剣を使っている南優芽だ。零治は実際に短剣を使っているところを見るのは初めて。地上を物凄いスピードで駆け抜けている。大きな爪を構えている獅子に速度を全く落とさず突き進む。獅子の爪先と彼女の体が衝突する瞬間にスッと身を低くしてギリギリで避け、そのまま獅子の腸を引き裂く。
自分のからだの特徴を生かしたいい戦い方だ。何よりすごいのがあれだけのスピードで走っているのにも関わらず、減速せず完璧に仕留めていることだ。そしてそれを何度も繰り返す。やはり関西一と呼ばれるだけあるのか。
・・・ぶりっ子だけど。
海はあまり見たことがないという青エネミーに積極的に挑みにいっている。今回も巨大蠍型エネミーだ。
蠍は持ち前のハサミで海を真っ二つにしようとする。しかし、それを刀でドンピシャで跳ね返す。
硬いハサミと刀があたる音が周辺に鳴り響き、同時に空気の波が生じる。怯んだ蠍を逃がすことなく、海は刀で敵の顔面を突き刺す。痛みのあまり暴れだした蠍のもうひとつのハサミが海に向かってくるがそれを跳んで避け、さらにハサミを踏み台にしてもう一度跳んだ。そのチャンスを逃すことなく、蠍の尾を一発で切り落とす。蠍は静かに倒れた。
見事青エネミーを倒した海は、零治に向かって超どや顔で見つめた。
「海、今のはかなり凄かったぞ。
と言いたいんだが、そのどや顔やめろおおおおお!くっそうぜえええええええ!」
「どう?零治、さっきの僕すごかったよね!あんなにスムーズに青エネミーを倒しちゃったよ!」
「敵の行動パターン掴むのに結構時間かかってたけどな。」
「いや、そこは触れちゃだめなところだよ・・・。」
「まあでも、戦術はよかったと思うぞ。だがここはまだ目的地じゃない。さっさと終わらすぞ!」
「よしっ、じゃあどっちが多く倒せるか勝負だ!」
「お前なんかに俺が負ける訳がないだろう。」
「おおっ、強気だね。じゃあ今からスタート!」
to be continued




