第57話
風邪を引いた時はいつも、スポーツドリンクと栄養ドリンクを飲んで、お粥を食べて、風邪薬を飲んで寝る。
それが普通なのだがそうもいかない。
この世界にはスポーツドリンク、栄養ドリンク、風邪薬自体が存在しない。
それの代わりになる物と考えるとポーションがあるのだが、値段がそこそこするので、風邪くらいで使うのは勿体無いと思う。
そうなると、お粥を食べて寝るくらいしか方法はない。
まあ、ただの風邪だろうしなんとかなるだろう。
用意してもらったお粥を食べると、濡れたタオルを頭にのせ、すぐに目を瞑って寝ようとした。
目を瞑ると、何時もの癖で何かを考えようとしてしまった。
だけどそんな事をしていて、風邪が悪化しても困るなと、何も考えないようにした。
すると意外に簡単に、裕也は眠る事ができた。
何時間寝ただろうか、目が覚めると体が熱く、体が少し痛かった。
風邪薬とか飲んでないから、少し悪化してるのかな?
そう思いながら、体を起こすと、周りに誰かいないか見た。
「あれ、誰もいない?」
そう声に出すと、外で待機していたシーリャが中に入ってきた。
「大丈夫?」
シーリャは裕也の横に座ると、手を裕也の額に当てた。
「薬とかないせいか、あんまり良くないかも」
「そうみたいだね、さっきより熱が上がってる」
熱を測ってくれているシーリャの手は、少しひんやりとしていて、気持ちが良いな。
「今って何時くらい?」
「まだ12時前だよ」
起きたのが8時くらいだから、まだ3時間ちょっとくらいしか寝てないのか。
じゃあ熱が上がってしんどくて、目を覚ましたって感じか。
一日寝て、どこまで治るか・・・。
裕也が黙って考えていると、シーリャは体調悪くなって黙ってしまったと思い、心配そうな目で、裕也を見た。
「ああ、大丈夫、て大丈夫じゃないけど」
体調が悪いせいか、ここに何日もいる事になったら、食料がやばいなっとか、今自分が考える事でもない物を考えてしまっているな。
「とにかくもう1回寝るよ」
「おやすみ、裕也」
薬がないなら、寝て治すしかないよね。
もう一度寝ようとする前に、シーリャが用意してくれた水を飲むと、もう一度眠った。
そうやってその日は、何時間か寝て、起きて、用意されたお粥を食べて、水を飲んでまた寝て、の繰り返しで一日が過ぎた。
次の日の朝、目が覚めると熱も下がって完璧、何てこともなく少し熱が下がった気がするという感じだった。
体を起こすと、丁度シーリャとリーリンがお粥を持って入ってきた。
「まだ体調悪そうだね」
「昨日よりかは少しはましだけどね」
そういいながらお粥を受け取るとゆっくりと食べはじめた。
食べていると、食欲が昨日よりかはある事に気付き、悪化はしていないだろうと少しほっとした。




