第55話
毛布に包まると、今日はすぐに横になった。
それを見たシーリャは灯りを消すと、何時もと同じく裕也の横で眠った。
裕也はすぐに寝ないで、目を閉じてこれからの事を考えていた。
雨宿りで1日くらい移動が遅れてると思う。
それを考慮に入れると、たぶん後1週間ほどで、中立商業都市は着くだろう。
1週間か。
今のやりたい事といえば、魔術を使えるようになる事。
だけどそれは街に着くまではどうにもならないだろうから、瞑想だけ続ける感じかな。
それなら次にやりたい事を考えてみると、実は今のところないんだよな。
時間があるから本を読んでみたいとかはあるけど、字が読めない。
そうなるとシーリャかリーリンさんに教えてもらうしかないけど、今教えてもらうより、街に着いてからゆっくりやった方が良さそうだ。
というかその方が良い。
日本語以外って、学校の英語の授業を聞いていてもまともに覚えれなかって、そこから何年か後に、海外のゲームをやっていくうちになんとなくわかるような感じになっただけで、完璧に読めるとか話せるというわけじゃなかったんだよな。
そういうこともあって、日本語以外の言語にたいして苦手意識があるから、残りの移動の間に教えてもらっても覚えれ自信はないから、文字を教えてもらうのはなしっと。
他には戦い方を教えてもらうとか、体を鍛えるってのはあるけど、1週間でどうにかなるわけの無い部分なので、これも除外。
そうなると、本当にやることがない。
ないのだが、それは本当に辛い。
休日は外に出ないで1日ネットを見てすごす事は良くあったが、それが何日も続くと不安になってくる。
お金の心配や、先の人生の心配など、色々と考えてしまって駄目だった。
そういうのもあって、最長でも3日しか連休を取った事がない。
まあそう考えると、この世界に着てから最初の頃は何日も何もしていない日があった。
でもあの時は、これからどうなるんだろうとか、そういうの物でいっぱいだったせいで、暇だから不安なんて考える事はできなかった。
だけどこの頃慣れてきたのか、そういう事を感じれるようになってきた。
そう感じれるようになった事が悪いとはいえない。
逆に良い事だと思う。
異世界にいる不安しか感じれない状態ではなく、周りを見れる余裕ができてきたとも考えれるからだ。
さてどうするかな。
そう無意識に呟きそうになったが、そんな事を言えば横で寝ているシーリャが起きてしまうと思い、どうにか声に出さないように口を噤む。
そういえば、シーリャと結婚するかどうかも、そろそろ真面目に考えないとか。
とにかくは街につくまでの1週間は、話すだけじゃなくて色々とシーリャと一緒にしよう、そうしていくうちに答えは出るはずだ。
やることが決まると、祐也は考えることをやめて、ゆっくりと眠りについた。




