第54話
魔力ってかなり万能なんだな。
魔力を自分ならこう使うとか、敵にこう使われたら面倒だから対策はどうするかとか、魔力を使った色々な事を考えていった。
対戦系のゲームでも、遊んでいる時以外に対策などを考えている時は楽しい物で、よく仕事が忙しくない時は考えたものだ。
久しぶりに考えるという事をしたからか、気が付けば今日の移動の時間が終わって、晩御飯の準備が終わっていた。
晩御飯を食べ終わると、日課の瞑想を始める前に、魔力制御について思い出そうとした時、やっと忘れている事を思い出した。
あ・・・、魔力を圧縮して刃にとか、あれって魔力制御の応用とかそういうものであって、普通の魔力制御とは違うじゃないか・・・。
つまりは、魔力制御について聞き忘れてる。
「はぁ・・・」
シーリャのところに行くか。
楽しい事だけを考えて、必要な事を聞き忘れている自分にため息が出ていた。
先にテントの中で毛布に包まって寝転がっていたシーリャに、魔力制御の初歩について聞いてみた。
「そういうのを聞きたかったんだ」
そういうと、魔力制御について話してくれた。
初歩の事なので、シーリャなら本能とか感覚とかでやっていて、説明できない可能性もあるなと、思っていたのだが、わかりやすく説明してくれた。
結局のところ魔力は水や血と認識するのが良いらしく、よくやる手法としては自分の心臓の音にあわせて、魔力が心臓から体全体を回って心臓に戻ってくるというものだった。
これを聞いた時、最初から聞いていたら、魔力のイメージが血や水で固定されていた可能性もあるから、自分で試行錯誤しながらやっていたのは、無駄ではないと思った。
シーリャの前で、今聞いた心臓の音にあわせて、魔力が体を循環しているというイメージで、瞑想を開始する。
瞑想で色々試した中には、魔力を水と考えて瞑想を試した事があったので、結構簡単にイメージできた。
できたのだが、結局成果は何時もと同じでなし。
魔力を感じる事が出来ないで終わった。
そこで何が駄目だったのか考えていると、一つの可能性を思いついた。
「ちょっと聞きたいのだけど、見てる相手の魔力が循環しているかって、わかったりしないかな?」
「無理だね」
「出来る人とかいないかな」
「基本それが出来る人はいないと思うよ。 裕也が言ってる事は、近接戦をする人ならみんなが覚えたいと思っているよ、だってそれができれば、相手がどの部分に魔力をまわしているかとか、次の行動を動く前に察知できるようになるってのに近い話だからね」
距離を詰めるなら、足に多く魔力をまわすし、フェイントなどでない本命の攻撃の時なら、手とか持っている武器に魔力が集まる。
体を覆うように魔力を使って身体強化をしているなら、昼に言ってたように感じに見えたりするのだろうけど、血のように体の中を循環させて身体強化をしているのだから、見えるはずがないのか。
「ちなみに、相手に触れているならできるとかはないよね」
「ボクはできないね、何か気になる事でもあったの?」
「ちょっと思ったんだけど、もしかしたら魔力が循環できない状態とかなのかなっと思って」
魔力は循環する物。
もしそれが循環していないのであれば、感じるのは難しいのではないか。
まあ、自分自身に魔力関連の才能が無いだけの可能性も十分あるのだが、何日も瞑想を続けていて、もしかしたらそれ以外の要因で出来ないのではと考えたのだ。
「なるほど、魔力量が多いせいで上手く循環ができてないとか、可能性としてはあるね」
可能性はある、それならそこをどうにかすれば魔力が使えるようになる。
だけど、この場ではそういった事を調べる事ができないんで、結局街についてからその事について調べる事になった。




