第53話
日課の瞑想をしても、何も変化のない。
初めて瞑想を試して自分の魔力を感じる事が出来なかった事から、やり始めて一週間ぐらいで、魔術が使えるようになるなんて思っていにない。
何事も上達するには時間がかかるのものだとも思っている。
だけどちょっとくらい変化がないと諦めそうにもなるし、飽きてもくる。
というか、魔力が少ないとかないなら、魔術が使えるようになっても、あまりかわらないからどうでも良いやって思うんだけど、馬鹿げた量の魔力があるのに使えないっていうのは、目の前に新しいおもちゃがあるのにそれで遊べないような、ほんともどかしい。
瞑想をはじめたが30分ももたないで雑念が混じってきたので、裕也は目を開けて瞑想をするのをやめた。
やる事もないのでシーリャとリーリンを見ると、リーリンは何時ものように紙に何か色々書いているので、何か国に戻るまでにやらないといけない仕事をしているのだろう。
シーリャの方はこっちを見ているか、寝てるか、尻尾の手入れをしているかのどれかなのだが、今日は珍しく集中して自分の指をじっと見ていた。
「シーリャ、何してるの?」
集中しているところ話しかけるのはあまり良くないのだが、暇でついつい話しかけてしまった。
「魔力操作の練習中だよー」
魔力操作か。
魔力操作をどうやってするかとかを知れば、自分の魔力を感じる手助けになるかもしれないよな。
「できればどうやってるか教えてくれかな?」
「いいよ~」
シーリャがやっていた魔力操作の練習、人差し指を立てて、立てた指の先の何も無い部分を指と認識する事で、その何も無い部分に体の中と同じように、魔力を循環させるというものだった。
こういうとわかりにくいが、ひらたく言えば指を長くするとかそういった感じのものか。
実際、顔に指が触れていないのに、頬をつんつんと突かれるのを肌で感じたので、ちょっとおどろいた。
「今ほっぺたを突いたくらいの、物に振れれるくらいの魔力量なら、目に見えるのだけど、裕也は見えた?」
「いや、何も見えないけど、突かれたのはわかった」
「うーん、じゃあこれとか」
そういうと、シーリャは人差し指で反対の手の平を切るような動きをすると、手の平が少し切れて血が滲んできた。
「今のは、魔力を圧縮して刃物のようにして、手を切ってみたんだけど、これでも見えなかった?」
「全然駄目」
「そっか。 今のなら普通に見えるはずなんだけど、それで見えていないって事は、裕也は魔力を感じれないって意外にも、魔力を見る力もまだ目覚めてないって感じなのかな」
「そうなのかな?」
もしかしたら、魔力を感じれるようになれば、見る事も出来るようになるかもとは思うのだけど、今シーリャがやってくれた事で一つまずいなっと思うことがあった。
魔力の量を調整して、目で見えにくいけど人に干渉できるくらいの魔力を、罠を作られたら俺一人では気が付かないで確実に掛かってしまうという事。
人攫いなんている世界で、中立商業都市なんていう人がいっぱいいるところに行くんだ、そういうことも警戒して方が良いよな。
「はぁ・・・」
これは早く魔力を感じれるようになって、魔力を見れるようにならないとな。




