第35話
最初に異変に気付いたのはシーリャだった。
探知能力が一番高いからと言う理由ではない。
裕也と一緒に寝たい為に、偶然早く寝た為、丁度異変が起きた時間に睡眠が浅くなり、何時もの癖で辺りの気配を探った。
気配を探った時、ほんの一瞬何かが動いた気がした。
でも、一瞬の事だったので、寝惚けて勘違いでもしたかなっと思った。
なんか動いた気がしたけど、何だろ?
護衛の子達は何も言ってこないし、気のせいかな。
それよりもう少し裕也と一緒に寝たいよ。
気のせい、と言う事にしたかった。
だけどこの頃裕也の魔力香が、最初に会った時より濃くなってきたのもあり、魔力での探知がしづらくなっている。
もしも隠蔽系の魔術を使われたら、かなり接近されないと気付かないだろう。
「はぁ・・・」
面倒だけど、裕也の安全の為。
そう思いシーリャは寝巻きから着替えると、洞窟の入口へ向った。
入口ではメルーとレムが護衛のために起きていた。
「何か感じなかった?」
二人に近づくと、二人も何か感じたか聞いてみた。
「気配などは特に何も感じなかったです」
「私の耳も、変な音が聞こえたりとかはなかったです」
レムはウサギの獣人だけあって、通常の状態なら一番耳が良い。
そのレムが何も変な音を拾ってないという事は、何もなかったのかもしれない。
それでも、少し何かきになた。
「ちょっと外に出てくるね」
そういうとシーリャは洞窟を出た。
気配、音、魔力その3つで感知できない。
それなら4個目の探知の方法。
シーリャは目を閉じて思いっきり息を吸うと、人には出せない音、超音波の様な音を出してソナーのように辺りを探知した。
近くには何もなしっと。
でも、少し遠くで何かが動いてる。
気配では何も感じないのに、何かが動いている。
隠蔽系の特性のある魔物、もしくは隠蔽系の魔術を使った人。
どちらにしても、移動方向からこっちに向ってきてるみたいだし、対処しないと駄目かな。
洞窟の中に戻ると、メルーとレムに何かが近づいている事を伝え、裕也以外の全員を起こすように言った。
全員が起きてきたのを確認すると現状を説明して、命令した。
「みんなは裕也がゆっくり寝ていられるように守る事。 僕は囮になってくるから」
「シーリャ様、それは危険ではないでしょうか?」
「そうかもね、だけど一人で行くよ。 だってその方が周りを気にしなくて良いからね」
リーリンはシーリャの事を心配した。
だけどシーリャは一人で行くと言った。
本気で戦う可能性を考えているのですね。
シーリャが全力で戦うと、護衛の5人は邪魔になる。
リーリンですら、一緒に戦うなんて事はできない。
「わかりました。シーリャ様お気を付けて」
「じゃあ、行って来るね」
そう言うと洞窟を出て、こちらに向かってきている何かに向かって走った。




