第34話
シーリャの尻尾の手入れをした後、晩御飯ができるまで何かする事はないかと考えたのだが、漫画とかゲームはこの世界に無いようなので、そういう暇つぶしの方法もなく、それならさっき考えていたダイエットの為に、体を動かすってのも有りなのだが、シャワーを浴びた後だし、それに女の子の前でそういうのをするのはなんか嫌だった。
結局、毛布の上でゴロゴロするしかなく、元の世界にいた時の休日より、駄目な生活をしている気がする。
まあ駄目だとわかっていでも、どうしようもないのでゴロゴロとし続けて、たまにシーリャが何をしているのか見ていると、最初は紅茶を飲んでいたのだが、飲み終わると、同じようにやる事が無くなったようで、横で一緒に寝だした。
「暇だね」
「たまにはこういうのも、良いんじゃないか?」
「うん」
いつもはテントで寝ているから、周りを警戒してくれていると思う。
それと違い、今日は入口だけを警戒すれば良い。
警戒する範囲が広くないから、たぶん護衛の人達に任せているのだろう。
だからはじめて、暇なんて言葉を聞けたんだろう。
横に寝転がるシーリャを見ないように、天井をじっと見ていると、美味しそうな匂いがしてきた。
「晩御飯できたみたいだね」
「じゃあ、いこうか」
入口の方に行くと晩御飯が用意されていた。
みんなで一緒に食べると思っていたのだが、もし魔物が来た時を考えて、護衛の人は後で順番に食べるという事で、先に二人で食べる事になった。
晩御飯は、魔物の肉を野菜と一緒に味噌で炒めた物で、米と凄く相性がよく、ダイエットなんて考えていたのを忘れて、丼3杯くらいは食べてしまった。
まあ、食べ終わって、毛布に包まって寝ようとした時に、食いすぎた事に後悔をして、食べてすぐ寝たらだめじゃんって思いながらもやる事が無いので、シーリャに先に寝るとだけ言って、出来るだけ何も考えないで眠りについた。
裕也が寝たのを確認した後、シーリャはリーリン達に雨宿りであまり移動できなかったので、明日は何時もより早く移動を開始しようとだけ言うと、楽しそうに尻尾を振りながら、裕也の横で今日はゆっくりと寝る事にした。
残った護衛達は、リーリンに今夜はゆっくり休んでくださいと言うと、毛布を用意すると早めに寝るようにといった。
何故今日はそんな事を言ったのか、それは毎晩護衛達が夜に交代で警護しているのだが、リーリンは眠りを浅くしていつでも動けるようにしている。
普通の人ならそんな事を毎日していたら、体がもたないのだが、馬車の中での少しの仮眠というのもあって、今のところは大丈夫だった。
だけどそんな事を続けていたら、何時か倒れる可能性があると思い、護衛達はこのタイミングで、リーリンにもゆっくり休んでもらおうと考えたのだ。
リーリンも自分の体の中を少し確認すると、少し休んだ方が良いだろうと考え、その言葉通り、早めに眠りについた。
裕也、シーリャ、リーリンが眠りについて、護衛達が1回目の交代をした頃、みんな久しぶりに長く休めた事で気が緩んでしまっていたのか、警戒が少し甘くなっていた。
だが、洞窟の入口には魔物避けの聖石配置している。
聖石は弱い魔物では確実に近づけない物のため、今いる場所にいる魔物では近づけない。
そのため本当は全員寝ていても大丈夫なのだが、もしもの事を考えて交代で警戒をしている。
普通なら少し警戒が甘くなっても問題ないのだが、問題が起きてしまった。




