第32話
そういえば、実家の猫も良くこんな感じなことしてたよな。
ゴロゴロとしながら、尻尾をクネクネと動かして、誘ってるような感じ。
実家の猫のように、誘いにのって顔をお腹に埋めるとかは、流石にできないよな。
まあ、やったとしても誰も怒らないだろうし、シーリャなら喜びそうではあるんだけど、14歳の女の子にそんな事するのはな・・・。
日本だと確実に警察に捕まるだろうし。
ここならそんなのは関係ないとは思うんだけど、やっぱりその辺りは気にしてしまう。
シーリャを見ていたら、尻尾を抱いてこちらを見て。
「どうしたの?」
顔をお腹に埋めたいです。
なんていえないし、さてどう答えればいいんだろ。
どう答えるか考えていると、ふとあることに気がついた。
「ここ掘る時に、少し尻尾汚れた?」
「あ・・・ううん、あれではそんなに汚れてないよ」
この頃じっくりシーリャの尻尾を見るなんて事はなかったから、もしかしたら少し前からなのかな・
そっと尻尾を触ってみると、やはり少し汚れていた。
汚れた尻尾を触られてたのが嫌だったのか、少しションボリとしたシーリャは、理由を教えてくれた。
「水は節約しないといけないから、タオルを濡らして拭くくらいしかできないんだよ」
「なるほどね」
そういえば俺もこの頃は、濡れたタオルで体を拭くくらいしかしてなかったな。
「そうだ、一緒にシャワーあびよ」
「シャワー? 節約してた水を使うのか?」
「そんな事しないでも、今なら水があるよ」
節約していた水以外にどこにあるんだろ?
「雨だよ」
雨か、でも雨って酸性雨とかそういうので、汚いイメージしかないんだよな。
そんなものをシャワーにするって・・・うーん。
「もしかしたら、他の子はもう入ってるかもよ」
「そういわれてもな、雨って汚いってイメージがあるんだけど」
「そうかな? 飲み水としても使えるし、汚いって感じはしないけどなー」
飲み水・・・。
何か俺の考えがおかしいのか?
それともこの世界の人は・・・・・・・あ、そっか。
「そうか、元の世界と違って、この世界の雨は汚染とかされてないのか」
「うん、っというか、裕也の世界だと雨は汚染?されてたりするの?」
「雨に当たったら死ぬ、とかわないけど、あまり綺麗ってイメージは無いかな」
「なるほどね、それでさ、一緒に入る?」
「流石に一緒に入るのはあれなので、遠慮させてもらいます」
「残念だー」
「そのかわりに、シャワー浴びた後に尻尾の手入れ手伝うよ」
そう言うと、嬉しそうな顔をすると、先に入ってくるねと言って、外に走っていった。
シーリャもいなくなった事だしと、服や体を匂ってみると、少し臭かった。
「何日もタオルで拭くだけじゃこうなるよな」
女の子達と一緒にいるんだから、やっぱりこういうのも気をつけないとな。
でもこの世界だと、匂いを消すためのスプレーみたいなのもないし。
まあ、香水とかはあるだろうけど、今はそんなのもってないしな。
いいや、その辺りはまたあとで考えよう。
リーリン達が置いてくれた荷物からタオルを出すと、シャワーを浴びるために洞窟の入口に向かった。
入口に来ると、護衛のみんなはもう入り終わった後みたいで、少し髪が濡れていていた。
「俺もシャワー浴びようと思うんだけど、どうすれば良い?」
「この様な場所では、人の目などは無いと思いますが、外に布を使って見えないようにしている場所を作りましたので、そこをお使いください」
「了解」
入口の右と左にさっき言ってたのがあった。
右はシーリャが入ってるようだったので、左に入って服を脱ぐと、体を洗いはじめた。




