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第28話

リーリンの剣は、確実に頭を貫いた。

だがこれだけ大きい魔物が、脳を少し刺されただけで死ぬのか?


そう思ったのだが、頭を貫かれたクイーンは、暴れだすこともなく倒れていた。


「これ本当に倒せてるの?」


今は倒れているけど、急に起き上がって襲ってきたら怖いので、リーリンに聞いてみた。


「大丈夫ですよ」


リーリンはクイーンの頭から降りると、裕也とシーリャの前に立った。


「大きな魔物でも、脳を少し損傷すると死ぬのか」

「大型の魔物は脳を少し損傷しただけでは、死なない者が多いです」

「じゃあ、こいつは例外?」

「いいえ、頭に剣を突き刺した時に、剣を保護している魔力を使って脳を掻き回したので、それで絶命したのでしょう」

「よかった、暴れだすんじゃないかって少し心配だったんだ」


安心すると、昼ごはんをまだ食べていない事を思いだした。


「そろそろ戻らない?」


「ちょっと待ってね」

そう言うと、シーリャはクイーンの牙を、力任せに捥ぎ取った。


「それってどうするんだ?」

「普通のヴァイパーカットの牙って、加工すれば武器として使えるから、そこそこの値段で売れるんだよ」

「つまりクイーンの牙なら、もっと良い値段で売れるから取っていく?」

「正解、っと言いたいけどハズレ。リーリンの剣が1本使い物にならなくなったから、これを加工して予備の武器にするんだよ」


サイズ的には今まで使っていたサーベルより短いけど、それでもリーリンさんなら使いこなせるのかな。


しかし、水に食料、それに武器。

長い旅になると、本当に補給は大変だな。

素手で戦うのはシーリャとレムだけで、他のみんなは武器を使って戦うから、武器がなくなれば、まともに戦えない。

クイーン1匹倒すのに、剣を1本潰してしまった。

それを考えると、クイーン級の魔物1匹に対して、1本武器を消費する計算をすると、可能性として中立商業都市につく前に、武器がなくなりそうな気がする。


何かしら対策を考えたほうがいいのか?

いや、シーリャはともかく、リーリンさんがそれを考えてないって事はないだろうから大丈夫なのか。


「裕也、なにか難しい事考えてるみたいだけど大丈夫だよ」


色々考えていた裕也に、シーリャは大丈夫だといった


「え?」

「たぶん、何か心配事があって、考えてたんでしょ」

「うん・・・、1回の戦闘で、1本武器が壊れると考えると、足りるのかなって」

「なんだ、そのことか」


あれ、以外にもシーリャもその事を考えてたのか。

っと思ったのだが、答えは違った。


「足りなくなっても、奥の手ってのがあるから大丈夫」

「奥の手!」


なんだろ、凄くゲーム好きの俺に響く言葉。


「ちなみにどんなの?」

「それは・・・・・・」

「それは?」

「ひみつ、あんまり見せたり教えちゃ駄目なんだよ」

「残念だな」


でも、もしクイーン以上の敵が出てきたら、その奥の手を使うのかな。

楽しみだ、って強い敵が来る事を望むのは危ないな。

その奥の手が、使われない事を祈ったほうがいいよな。


「シーリャ様、裕也様そろそろ、戻りましょう」


「あ、ごめん、それじゃ戻ろうか」



リーリンさんに担いで貰うのかと思ったけど、ここまで来る時と同じで、またシーリャにお姫様抱っこで馬車まで運んでもらう事になった。


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