第27話
リーリンが攻撃担当で、シーリャが祐也を守る担当。
いつものパターンだが、祐也はある事に気づいた。
4人で水を汲みに来ていたはずで、上から見ていた時はタリス、シャール、ウメはいた。
「シーリャ、3人は何処にいったの?」
もしかして、高台から飛び降りてる間にクイーンに食われた?
それはないと、わかっているのだが、そこにいるはずの人がいないと、少し心配になる。
「みんなの事心配して、やっぱり祐也って優しいよね」
優しいなんて、あまり言われた事ないから、こそばゆいと感じてしまうが、悪いきはしないな。
照れ隠しから、頬をかいている時に、クイーンの尻尾の斬撃をリーリンが剣で正面から防ぎ、鉄同士がぶつかり合うような音がして、照れている場合じゃないと、思い出した。
「それより3人は何処?」
「飛び降りてる間に、水とか回収して、先に戻ったよ」
「よかった」
3人が無事なのはよかった。
だけど先に戻ったせいで、リーリンが一人で戦う事になったのは、少し勿体ない。
それに、クイーンは今までに遭遇した魔物の中では一番強いようで、意外に苦戦しているのだ。
どう苦戦しているのか、それはクイーンの攻撃方法。
ヴァイパーカットと違い、基本攻撃が全て、尻尾の刃を変則的な動きで使うものだった。
これが面倒で、地面を這うようにふられた尻尾が、リーリンの近くまで来ると、瞬時に跳ね上がって来るものや、首を狙った攻撃を後ろに下がって避けようとすれば、途中で止まり、喉に向かって伸びてくる。
尻尾の刃がついているあたりに、伸縮できる部分があるようで間合いが計りにくい。
それなら間合いを一気に詰めればっと思うのだが、そうすると今度はショートソードくらいの長さのある牙で、攻撃してくる。
ほんと、面倒で厄介な相手だ。
そう裕也は思っていた。
しかし、リーリンは違った。
さっき正面から尻尾を防いだ事で、大体の硬度はわかった。
尻尾の伸縮範囲も、把握できた。
考えながらも、伸縮範囲を考慮に入れた動作で回避する。
さて問題は、今持ってるこのサーベルでは、かなりの魔力えおサーベルの保護に使わないと、数回で使い物にならなくなる。
馬車に置いているサーベルの予備と、中立商業都市までの残り日数。
サーベルと魔力を無駄にしないため、回避しながら、鱗の脆い部分などが無いか探しているが、そんな部分は見当たらない。
どうするか迷い、ちらっとシーリャを見ると、リーリンが何を悩んでいるのかわかっていたようで、答えをすぐに出してくれた。
「剣は折れて良いから、さっさとおわらそ」
「了解しました」
シーリャの答えを聞くと同時に、サーベルの保護を緩め、全身に70%ほどの魔力を一気に流した。
それに反応してか、クイーンは先ほどまでと違い、全身を使って尻尾を振った。
鋭く速いクイーンの尻尾。
だがそれを、間合いを詰める為前に進みながら、サーベルで受け流した。
人間や、亜人と違い、クイーンは受け流された事に動揺まどはなく、受け流された尻尾を伸ばすのではなく縮める事で、リーリンの首を刈ろうと動く。
振り返り様に、尻尾と刃を繋いでいる部分を、下から切り上げながらサーベルの刃が、接触すると同時に掌をサーベルの下から叩き付ける事で、力任せに尻尾を両断した。
クイーンは尻尾から、血を撒き散らしながらも、尻尾を切ると同時に再度、距離を詰めてくるリーリンを顔に近づけさせないため、叩き潰すため縦に尻尾を振っる。
この攻撃をまた避けて、切り落とす、とはしたいのだが、先ほどの一撃で、振れて後2回なのはわかっている。
そのため、一気に詰める為に回避動作と同時に地面を蹴り、顔までの距離を詰めた。
距離を詰めてきたリーリンが、止めを刺そうとしているのが理解できたのか、クイーンは最大の武器である牙を振り下ろした。
だが、それはリーリンの狙い通りの行動でしかなく。
サーベルを地面に刺す事で、急減速すると振り下ろされた牙を紙一重で避けると、頭に飛び乗りサーベルを突き立てた。




