表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/59

第21話

池まではまだ距離があるが、一旦馬車を止めて降りると、裕也はじっと池のある方向を見た。


「うーん・・・、まったく見えない」


見えなくても当たり前と言えるくらいの距離がある。

だけど、横に立つシーリャの目には、確りと池が見えているようだ。


「これだけ距離があれば、しかたないよ。 ボクとリーリン以外の子はこの距離じゃ、見えないからね」

「そっか・・・。 こういう時、双眼鏡でもあれば便利なんだけどな」


って言っても、この世界にはないかもな。


そう思ったのだが、意外に双眼鏡は存在するらしい。


「双眼鏡なら売ってる場所があるよ」

「マジで!? それなら何で持ってないの?」

「南の方に行かないと売ってないし、値段が高いんだ。 まあ、こっち側で売ってたとしても、元から値段が高いのが、さらに高くなってるし」

「あー、値段か・・・。 でも便利だし、国として数個くらい持っていてもいいと思うんだけどな」


それを聞いたシーリャは、少し考えるような仕草をしたが、


「そうなんだろうけど、遠距離を見たりするのも、獣人は得意な人が多いから、あまり意味ないかなって、買ってないんだよね」


こういう話を聞くと、獣人って元は本当に獣だったのかなっと思わされる。

でも、そうだとしたら、何で人型に進化したんだろ、そういう疑問が残ってします。


まあ、今はどうでもいい事か。


「それで池のほうはどんな感じ」

「えっとね、バッファロー系の魔物が20匹くらいと、ウインドバードが数羽って所だね」

「水を取りに行くのには問題なさそう?」

「うん、大丈夫。 ついでにあのバッファローも狩って食料のたしにしよ」


食料のたしか、それなら前食べて美味しかったウインドバードも欲しいな。


「ウインドバードは狩らないの?」

「ん? 裕也、もしかしてウインドバード気に入ったの?」


街でウインドバードのケバブを美味しそうに食べていたのを覚えていたみたいで、そう返されてしまって、ちょっと恥ずかしくなった。


ぽりぽりと頬をかき。

「まあ、・・・な」


それを聞くと、シーリャはふふっと笑ったと思ったらすぐに、真面目な顔になっていた。


「いいよって言いたいんだけど、今回は無理かな」

「そんなに狩るのが難しいのか?」

「そうじゃないんだけど・・・」


狩れない理由、それは簡単な話だった。

ウインドバードを狩るには、シーリャがやるのが一番いい。

だけどこの荒野で、裕也と離れると、もしもの時対処ができない。

だから、シーリャは裕也から離れられない。

それなら、一緒に池の近くまで行って、ウインドバードを狩ればいいのだが、まだどの種族か断定できていない、バッファロー系の魔物いるため危ない。


結局、全ては裕也の安全のために狩りに行けない、そういうことだ。


「ごめんね」

「シーリャがあやまる事じゃないよ。 それより俺は水を汲みに行ってる間どうしたらいい?」

「ボク、メルー、レムの3人が残って裕也の護衛。 残りの4人で、水を汲みにいくって感じだから、この辺りでちょっと休憩って感じかな」

「それなら、ちょっとシーリャと二人でこの辺り散歩するって言うのも良さそうかな」


一日の半分近くを馬車に座って過ごす。

そのため、たまに散歩とかがしたくなる。

だけど、この荒野に入ってからは、散歩をしてるような時間もなかった。

でも今回、バッファローを狩って、水を汲んでくるのはそこそこ時間が掛かるだろう。


「だめかな?」

「えっと・・・危ないから、手を繋いでくれるならいいよ」

「わかった」

シーリャの手を取ると、何もない殺風景な荒野を二人で散歩する事にした。


裕也は、久しぶりの軽い運動だと思い、シーリャは、二人っきりで散歩をする事で、裕也が何かをしてくれる事を少し期待して。


二人は辺りを歩いた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ