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第18話

シーリャ達と朝御飯を食べてから、魔術書の内容を書いたメモを読んで、瞑想するの繰り返し。

だけど一向に成果はなく、何が駄目なのかもわからない。


それでも時間は過ぎていき、気がついたらもう1時過ぎになっていた。


大体8時くらいから始めたから、約5時間は魔術の練習をしていた事になる。


はやく覚えたい、はやく使いたい。

そう思っているが、ここまで集中して何かをするのは何時以来だろう。


勉強はがんばっていた気がするが、ここまで集中した事はない。

何だろ・・・・・・。

ああ、そういえば、フリーターしてる時に友達と一緒に一時期はまったゲームあったな。

海外のゲームで、5VS5で戦うやつだった。

英語が得意じゃないのに、全部英語だったせいで、最初は色々苦労したよな。

攻略サイトとか、日本語に訳しているの探して理解して。

徐々に上手くなっていって、そのゲームの世界大会とかの動画を見て参考にしたりして、ランキングでも結構いいところまで行ったよな。

あの頃は仕事の休憩とかもあのゲームの事だけ考えて、休みの日なんて朝も昼も飯を食わないで10時間くらいぶっとうしでやってた。


魔術の練習はあの時くらいには、集中してやってると思う。

それなら、あの時と一緒で徐々に上手くなるはず。

でも、成果が何もないってのは、少しやる気が出なくなるよな。


「はぁ・・・」


練習をしても成果がなく、変化がない。

それは、まだ練習を始めて二日目とわかっていても、ため息が出てします。


息抜きにベットに横になると、じっと天井を眺めた。


昼飯どうするかな。


「裕也、ただいまー」

今回は気配を消してなかったみたいで、普通にドアが開く音と共にシーリャ達が入ってきた。


「服買ってきたよ」

「ありがとう、一応聞くけど、へんな服は買ってないよね?」

「大丈夫だと思うよ、それにリーリンが選んだぶんもあるしね」


シーリャは、ちょっと特殊な服を選びそうな気がするけど、リーリンさんならまともなの選びそうだから、大丈夫かな。


「昼飯はどうするんだ?」

「ふふふ、そういうと思って食堂でサンドイッチを作ってもらったの持ってきたよ」

「おー、結構腹へってたからありがたいよ」

「では、お茶を用意しますの少々お待ちください」

リーリンが紅茶の用意をし終わると、シーリャが持ってきてくれたサンドイッチを食べはじめた。


「リーリンさんの紅茶って上手いよね」

「ありがとうございます」

「裕也、ボクもこういうの覚えた方が良い?」

「うーん、リーリンさんができるんだから、覚えなくても良いんじゃないかな」

「そうですね、シーリャ様は必要ないかと思われます。ですが、裕也様にご自身で紅茶を入れてあげたいと思うのでしたら、学ぶのは良いかと思います」


裕也の為に自身で何かをする。

それを聞いた時、シーリャの尻尾がピンと立った。


「それは、良いね。あ、でも練習とかしてる暇は、ちょっとの間なくなるよね・・・」

「そうなのか?」

「うん。明日この街を出発すると、2週間近くは何もない荒野を進む事になるからね」


そういえば、獣王国まで、どういうルートで行くのか、いまさら聞いてなかった事を気がついた。


「獣王国までって、結局どういうルートで行くの?」


聞いてみると、全部を言ってもわかりにくくなるため、今何処を目指しているのかを教えてくれた。


一直線に獣王国に向おうとすると、補給なしで何ヶ月もかかる為、今は中立商業都市セレニアと呼ばれる、荒野の中心近くにある都市を目指すそうだ。

そこは獣王国の大使館もあり、寄る必要があるらしい。


「ちなみに、セレニアってどんな都市なんだ?」

「商業都市って言うだけあって、いろんな物がある都市だよ。 あとは獣人とかも普通に暮らしていて、冒険者を管理する本部があるのもそこなんだよ」

「へー、なんか凄い場所なんだな」

「うん、まあ、そんな事よりね、裕也、そろそろ買ってきた服、着てみてくれないかな?」

「あー、忘れてた。どうすればいい?」

「全部着て、見せて欲しいかな。あと感想もお願いね」


そういうと、シーリャは買ってきた服が入った紙袋を裕也に渡した。

紙袋を受け取ると、洗面所移動して、袋の中身を確認した。


結構数があるな。

ズボンは、スラックスみたいなのがメインだったので、全部普通な感じのだった。


問題は上着だよな。


どの袋が、どっちが買った物が入っているかわかるように、紙袋には狐のマークと猫のマークが書かれていた。


まずはシーリャのほうから。


狐のマークの袋を開けると、意外なことに普通の上着が入っていた。

意外だなっと思い、見ていると今着ているパーカーに近いものもあったり、色も赤とか青とかきつい色の物はなく、いい感じだった。


シーリャが買ってきた服を着て、シーリャとリーリンに見せて、今着ているのと近い感じがして、凄くよかった事を伝えると、シーリャは凄くわかりやすく、尻尾をふりふり、凄く喜んでいた。


洗面所に戻ると、次はリーリンさんが買ってきた服を見てみた。


・・・・・・。

意外、いや、これはリーリンさんらしいのかもしれない。


中には、タキシードとかスーツに近いものが入っていた。

変な服ってわけでもないし、リーリンさんは真面目な性格みたいだし、こういう確りした服が好きなのかな。


そう思うと、くすりと笑ってしまった。


その服を着て見せると、意外なことに、二人からは高評価だった。

シーリャはさっき着た様な服のほうが好みなのかと思ったけど、意外にこういうのも好きなんだな。


「裕也、それ凄く良いよ」

「私も凄くいいと思います」

「そんなに良いのかな?」

「うん!」

「でも、これは普通の時にはあんまり着れないかな」

「そうなの?」

「こういう服は、旅とかには向かないだろうから」


そう言うと、残念そうにリーリンさんの尻尾が垂れていた。


「でも、街の中で着るのには凄く良いと思いますよ」

「それなら良かったです」


凄く良いと言ったのが良かったのか、リーリンは安堵してるようだった。


「そろそろ晩御飯の時間だし、食堂に行こうか」

「うん」


ここで、着替えてしまうと、リーリンさんに悪いと思い、そのままスーツを着て、食堂に向った。






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