第十六話
同時刻 彰達のいるスカイツリーから南五キロ地点にある細路地の所にて
――――――――――
?「(どうしてこうなったの? なんで誰も来てくれないの? パパとママは?お兄ちゃんとお姉ちゃんは? 帰りたい…… けど怖いよ…… 誰か助けて!!)」
その細路地では軽いボブカットの、10歳くらいの幼女が小さく震えながら座っていた。
服はどこも汚れていて、持ち物はなにもない。
?「(携帯も地図も…… 鞄なくしちゃったから何にもない!!)」
?「(どうして…… みんなと旅行してただけなのに…… 楽しかったはずなのに…… どうしてあんなやつらが!!)」
―――――――――― 警察が異能バトルに負ける前日から、集団Ωの侵略は始まっていた。
この幼女、中影 鈴は、夏休み終了の直前のその日も、東京で遊んでいた。
集団Ω侵略まであと3:23
リ「お父さん!見てみて!あのキャラクターかわいい!」
父「あ、ああ、そうだな……(うむ…… 最近の若い娘はあんなリアルナメクジの着ぐるみが好きなのか……?)」
兄「は?…… 気持ち悪いんだけど?」
姉「あっ! 日本中のナメクジファン推定70億人を敵にまわした!!」
兄「そんなに居るの!? つかそれ世界の総人口!!!」
母「はいはい喧嘩しな~い」
父「(やはり好きなのか……?)」
この時リンは笑っていた。 今のこの状況とは違って。
その日は何時もと何ら変わらない、平凡な日だった。
アレがくるまでは。
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集団Ω侵略まであと2:59
お待たせして申し訳ありません。
ひさびさに更新しました!
新キャラのリンを追加しました! どんな異能かはまた後日ネタバレです!
次またいつ更新するかは分かりませんが、気長くお待ちいただければ恐縮です。