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fudanshi  作者: 真砂木
6/25

6話

こんな心あらずで勉強なんか出来るだろうか。気を抜くと、今の一連の流れを解読しようと空想の世界にとびそうだ。


 いや、勉強をしに来たんだ勉強。


 そう自分に言い聞かせ、頬を叩いて戻ってきた伊達。しかしそこには、なぜかワンピースをもって待ち構える七瀬がいた。


 「なあ、伊達ちょっと頼みがある。これ、着てくれないか?」


 「…、なんて?」


 「イヤなら断ってくれていい。…着たイメージが合ってるのか知りたい…だめか?」


 「…ええ……、マネキンに、なる分にはいいけど…、はいんの…?」


 「背格好同じぐらいだから…少しはかってもいいか?」


 「どうぞ……」


 すぐに手際良く採寸をすませ、大丈夫だなと七瀬はワンピースをあてがい、威嚇スマイルをみせた。



 言われた通りインナーパンイチで着てみる。腰に手をあて伊達は開き直る…どや。


 「…」

 「…」


 七瀬は何も言わず、いかつい真面目な顔で身体周りをチェックする。


 笑いもおこらないのはさみしいなという自分を発見した伊達。


 七瀬は伊達の腕を横にあげたり、首周りを直しながら話しかける。


 「…、着てみてなんか腕上げにくいとか、動きにくいとかきついとかある?」


 「……ない、と思う。参考になんのこれ」


 「ちょっと歩いて」


 長袖ロングワンピースで部屋を歩く伊達の背後にまわりこむ七瀬。


 止まってと言われ立ち止まる。

 スカートの裾の部分をつまんで、何やら作業をしている模様だが見えない。


 机にむかい書き込んでる姿が職人…


 顔をあげた七瀬に「もう着替えていい」と言われて丁寧に脱いで返す。


 「つき合わせてわるい、助かった」


 「いーや、役に立てたなら良かった」


 首をふって返事をする。真剣な人をみたら背すじがのびる感じするし、そんな作り手の七瀬を尊敬する。


 「なんかお礼する、考えといて」

 

 七瀬の申し出に、伊達はお礼なんていい、と断ろうとした。

 けれど一瞬閃いて、思ったことを言おうと口を開きかけた。


 頭に浮かんだ、順とまひろのことを知りたい、という言葉を一度セーブする。


 「…あの、このワンピースを渡した後日談を聞かせて下さい」


 「…いいぞ、…そんなんでいいのか…?」


 「うん(おれにとっては)。着ただけだし」


 「…なら、…わかった」


 「勉強するか」

 「するか」


 友のためにひとはだ脱いだ日。


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