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fudanshi  作者: 真砂木
10/24

10話

久しく見ていなかった学ラン。伊達は頬を緩ませ手を挙げた。


 「遥!」

 「久しぶり、いーくん」

 「待たせた?」

 「今来たとこ」


 「そっか…行くか。そう言えば、何で制服?」


 「コレは…昨日友達の家に泊まってそのままここに来た、から?」


 「…」


 バイト帰り、家の近所にある公園で二人は待ち合わせをしていた。


 これから食材を買い足しに出かける所だ。


 元気だったか、などとお互いの近況を喋っているとき、何気なく遥が言った。


 「いー君、オレ原チャリの免許取った」


 「…遥何歳だっけ」

 「もうすぐ14」

 「確か…取れるの16、俺の年から」

 「うん、先輩の本免に合格した」

 「……危ないことはするなよ」

 「うん、今度乗せるね」

 「遥…」

 「何?」 


 どう言えば伝わるだろうか、と考えて伊達は立ち止まる。


 そんな伊達に気づき振り向いた遥と目が合う。


 遥は俺の事を信頼して気を張らず何でも話してくれてる、とは思う。そういう存在でありたい。けど。


 遥のことをある程度、信じているけど…言わないと、伝わらない事もあると思う。


 「俺、遥が心配…。遥が元気でいれば、何も言わない。けど、そうじゃなくなったら泣く。ご飯も喉を通らない…ほんとに」


 伊達と背丈はほぼ同じで、学ランを着てはいるが中身が小学生の子どもに話しかける。


 「……、車は?くるまだったらいい?」

 「よくありません」

 「……」

 「今俺が言ったこと、おぼえて」

 「車はよくない…」

 「その前」

 「オレが元気だと、ご飯が美味しく食べれる…」


 何かちょっと違うけど、その通りなので伊達は頷いた。そしてまた話しかける。


「そう。もし…俺が、事故ったり怪我したら、遥はどう思う…?」


 「やだ」


 即答した遥に、それと同じだと伊達は伝える。


 「俺、ずっと遥に元気でいて欲しい。こうやって、一緒にご飯作ったり食べたり、これからもしたい。だから…大切にして欲しい、自分の事」

 「……」


 無言なのは考えてる証拠だな、良いことだと人知れず頷く伊達。


 「…死ぬ気で回避する」

 「何か言った?」

 「うん、危ない事はしない」

 「…」


 遥の聞き分けが良すぎるのが逆に怪しい…

スーパーの中に入り、目の前の品を見ている内にそれも隅へと追いやられて行く。


 後でもう一度念押しをしておこう。

 決めていたのに、結局伊達は伝え忘れた。

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