⑦ 始まりました学園生活
中庭から聞こえる小鳥の囀りで目を覚ます。
身支度を整え、学園の食堂へむかう。
一階の玄関近くにある食堂は中庭に面していて、寮生の朝晩の食事、学生のランチタイムの利用ができる。
ビュッフェスタイルの朝食を終え、玄関外のロータリーに出た所で見知った人と目が合った。
既視感・・・今回は軽く会釈する。
「やあ、此処の生徒だったの?学園内で見かけたこと無かったから新入生?」と声をかけられた。
「はい。仕事で入学する事になりまして…。」まあ玄関にお迎えに上がっている以上、誰かの付き人って解っちゃうよね。いやそうとは限らないのかな。「できましたら他言無用で」
「ああ、人それぞれ事情があるし、わざわざ人に話す事でもないから。」
「有難うございます。そう言ってもらえると助かります。」
「こうやって会うのも何かの縁だから…」と声を掛けられたところで馬車が次から次へと入ってきた。
「そのうちまたね。」「はい、また今度。」と会話を終えてお目当ての馬車を探し、前に出て片手を胸に騎士の礼をとる。
王女様が近衛騎士に手を取られて降りてくる。
「お初にお目に掛かります、冒険者をしておりますリリアンナと申します。本日から学園生活においてのサポート役を務めさせて頂きますので、どうぞ宜しくお願い致します。」
「ごきげんよう、リリアンナ。わたくしはエリザベス・シアン。お互い気の置けない学友として過ごしたいわ。学園ではリズと呼んでね。わたくしもあなたをリリィと呼ばせていただくわ。」
「ありがとうございます。一生懸命務めさせていただきます。」
「堅いわ~。あんまり気を張りすぎないで。楽しくすごしましょう。」
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初めて彼女に出会ったその日、ギルドからの帰り道で。
「今日森で会った子、結構可愛かったよな。いや、美人の部類か?」
「ほんと、ジェフは惚れっぽいよなあ。三日前にも同じような事言ってなかったか。まあ今日の子は俺も可愛いと思ったけど。アルはどうよ?」
「ああ、魅力的な娘だったな。」「へっ!アル、大丈夫か?まさか森で毒キノコも食べたのか?」
「自他共に認める女に興味無しのおまえが…」「いや、俺の好みに合う娘がいなかっただけだから。」
「えっ、今日の子、ストライク?」「ん~、強そうだった。」
「そうかぁ?ホーンラビット見て固まってたじゃん。おまけに薬草採取してたみたいだし…で、辺境伯ご嫡男様はお強い女の子がお好みかぁ。」
「ああ」
「「 ・・・ 」」
まあ、冒険者やってるみたいだから、近いうちにまた会える気がした。
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