㉔ タウンハウスでご挨拶
アル以外の男子生徒に交際を申し込まれたのにも驚いたけど、
アルに突然プロポーズされて、正直気が動転してしまいました。
嬉しさのあまり我を忘れてしまったので、上手く返事が出来たのかさえ覚えていません。
あの後、私の様子がおかしい事に気づいたリズに問われ、
朝の出来事を打ち明けました。
「まあ、おめでとう。実はまだ内緒ですけど、わたくも殿下に求婚して頂きましたのよ。宰相方が婚約発表に向けて詳細を詰めているそうですわ。
発表の夜会は一か月後を予定しておりますの。お二人揃って出席してくださいね。」
「私もまだ正式に婚約したわけでないですけど、喜んで出席させて頂きます。」
その週末、アルが何か婚約の記念になる物を贈りたい、という事で二人でジュエリーショップに来ています。
「本当はプロポーズの前に準備して何かを贈りたかったのだが、
不測の事態に焦ってしまって…このネックレスなどどうだろう?」
と結構お高いものを勧めてくる。
「こんな高価な物、私には勿体ないです。もうちょっと手頃な物を…」
「いや、そこは見栄だと言われても贈りたい。今度の夜会にも丁度よさそうだ。
好きな人に自己満足で選んだ物を身に着けて貰える事が嬉しい。」
アルの連絡を受けアルのご両親が急遽上都されました。
そして今日、両親ともどもグレイン邸に招かれています。
母と父の正装を目にするのは初めてです。
二人とも凛として、冒険者家業で生活しているようには見えません。
そしてアルと私の婚約が正式に整いました。
王太子とエリザベス様のご婚約も決まり、ご婚約披露パーティーが催されます。
同じ席でドラゴン討伐で功績をあげた者たちへの褒章の発表があります。
ほとんどの貴族が王都に集まり盛大な夜会になります。
強引に我が家と繋がりを持ちたがっている貴族をけん制する為に、王太子殿下自らアルと私の婚約が調ったことを発表して下さるそうです。




