㉑ 従姉弟様?のお帰りです
父が身体強化してドラゴンの脇を狙います。
他の剣士たちはドラゴンの気をそらせようと囮になります。
アルも前に出て戦っています。私はアルに危険が及ば無いよう見守ります。
騎士団長が父と反対の脇から攻め込むのを、母が強化魔法で補助します。
二人同時の攻撃が功を成し、ドラゴンに傷を負わせる事に成功しました。
手を休める事のない剣士たちの攻撃を受け、徐々に弱っていくドラゴン。
そしてついに息絶えて戦いは終わりました。
大勢の歓声が森中に響き渡りました。
討伐の片付けは騎士団に任せ、冒険者たちは一旦ギルドに引き上げます。
当分落ち着けないからと、帰る道すがら両親にアルを紹介しました。
「本当に、お転婆で常識も持ち合わせてない娘だけどよろしくね。
この子の事情を知ったうえで、普通の女の子としての良い所を理解してくれる人なら安心だわ。」
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討伐後の慌ただしさが落ち着きを見せ始めた頃
一年の留学期間を終えたジーク様が帰途につきます。
「君が我が国の聖女様のご息女だったんだね。母君を見て確信したよ。」
「えっ?」
「マーシーもリズも言わなかったみたいだけど、
僕の母は君の母上の妹だよ。つまり僕たちは従姉弟同士だね。」
「えっ?」
「君のご両親が国を出てからひと悶着あってね。伯爵家からの
”姉は被害者だから代わりに妹を婚約者にしろ”
という進言に王家が折れたらしい。」
「ええ~っ」
「君の母君と私の母は結構似てる。そうやって観ると、
君も僕の妹に似てる気がする。」
「僕とシアン国に帰らない?」
「いいえ、帰るもなにも此処が私の生まれ育った国です。」
「何より、彼がいるからね。」
「はい!」
「そんなに良い笑顔で肯定されると後は何も言えないな。」
「大事な従姉弟殿だ。嫌なことがあったら何時でも頼って。」
「有難うございます。心に留めておきます。」
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リリィから離れたのは興味がなくなったからじゃない。
一緒に過ごしてこれ以上惹かれるのが怖かったからだ。
万に一つ彼女に振り向いて貰えたとしても、連れて帰るわけにはいかない。
あの母の性格だ。仲良くなんてしてくれないだろう。無視するならまだしも、
あらゆる手を使って嫌がらせしそうだ。
父にしても色々と思うところがあって、極力彼女との接触は避けるだろう。
そんな事情を抱えて、彼女の知り合い皆無な国には連れていけない。
だからこれ以上惹かれる前に離れよう。まだ引き返せる・・・
いつもお読み頂きありがとうございます。
本日、無事に25話迄下書きが完了いたしました。
最終チェックしながら月曜日までに投稿完了予定です。
最後までよろしくお願いします。 ( `・∀・´)ノヨロシク




