⑳ ドラゴンがやって来ました。
アルが卒業して、新入生が入学してきて慌ただしく学園生活が過ぎていく。
アルの通う校舎は、ここより王城に近いシンプルな建物で、
講義よりも実習や研究、校外体験が主になる。
専攻によっては地方へ長期間赴くこともあるらしい。
新しい学年、ちょっとした変化があった日常に慣れて来た頃、
ドラゴンが国境の山脈から飛来して、王都郊外の森に現れたとギルドに連絡が入りました。
王都の石塀の中に入り込む前に何とかしないと大変な事になります。
王国の騎士団がすぐに遠征準備を始めました。冒険者にも召集がかかりました。
近くの町にも応援要請があり、両親も王都までやって来ました。
学年末休暇以来久しぶりの再会ですが、宿泊先の宿に向かいドラゴン討伐について両親と話をします。
「私たちが頑張るから、あなたはあまり目立たないようにね。
王族の目にでも留まったら色々と面倒な事になりかねないわ。
ここでの生活にせっかく馴染んだのだから。」
「大丈夫よ。私の周りは優しい人ばかり。
王太子様も、エリザベス様も、そして勿論アルフレッド様も。」
「今回の事が片付いたら、是非アルフレッド様を紹介してね。
あなたがこんなに大切に想ってる彼に早く会ってみたいから。」
「ええ。私も父さんと母さんに早く会ってもらいたい。」
ドラゴンの動向を追っていた斥侯から、以前ワイバーンを倒した湖に落ち着いた、と連絡が入りました。討伐隊が湖へ向かいます。
王国の騎兵隊を先頭に剣士、魔法師、弓兵
冒険者や、補給部隊等の大所帯が物々しく森にはいっていきます。
騒々しさに気づいたドラゴンが羽ばたいて舞い上がりました。
風圧に耐えかねた兵士が飛ばされます。足を踏ん張ても後退りを余儀なくされます。砂埃や強い風で目も明けられません。
魔法師たちが必死にドラゴンを地上に留めようと拘束魔法の詠唱を始めました。
私も気づかれない様に加減して拘束魔法を発動しました。ドラゴンの羽ばたきが鈍くなり地上に近づいてきます。
アーチャーが大量の矢を放ちますが、ドラゴンの皮膚は硬くて弾かれてしまいます。
剣士たちが接近しますが、拘束が完全でないため近づくことが出来ません。
それでも皆、果敢に挑みます。
此処で食い止めなければ王都に甚大な被害が出てしまいます。
母が回復魔法で騎士たちのサポートをしています。
わたしも目立たないよう強化魔法、防御障壁で戦う人をサポートします。




