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⑱ アルの誕生日

ご覧いただきありがとうございます。


学年末休暇を一か月後に控え、初めて一緒に迎えるアルの誕生日。

初めてグレイン家のタウンハウスに招かれました。

アルのご両親と妹君は、王都には所用が有るとき以外は領地で生活しています。

「お誕生日、プレゼント欲しい物ありますか?」と尋ねたら

「アンナって三人暮らしだったんでしょ?料理とかできる?」って聞かれました。

「一応母から仕込まれましたが、何分、元々野営料理を見たことがあるだけの人だったので。

あとはこちらの生活で見たり聞いたり、大したものは出来ないんです。」

「それでも良いからアンナが作った料理でお祝いしてほしいな。」

「お腹こわして最悪な誕生日になっても知りませんよ。」と念を押しておく。


当日、朝一番にタウンハウスの厨房で常備されている食材を見せて頂きました。

その後、アルと一緒朝市にでかけて足らない食材の買い物をします。

サラダとシチューは定番。あとベーコンと根菜のキャセロール焼きと、

メインは簡単にチキンの香草焼き。

デザートは蒸しプディングで、凝ったケーキは作れないからソースパンでベイクドチーズケーキ。

二人会話しながら籠を下げて歩いていると「あら新婚さん?」なんて声を掛けられて赤面する事度々。

買い物を終えて厨房をお借りします。


久しぶりの調理と、ちょっと品数が多いので手順を間違えないように気を付けます。

後ろについて歩くアルが時々のぞき込んだり、質問したりではっきり言ってちょっと鬱陶しいです。

失敗しても自分が食べるんだから、と簡単な仕事を任せます。

野菜を洗ったり、シチューを混ぜたり、鍋を洗ったり、あたふたしたり、摘み食いしたり。

見ていてイライラしたり、笑っちゃったり、「ちがう~」って怒ったり。

何やかんやで出来上がった料理をダイニングに運んだら、

見知らぬ少年がニコニコ顔でテーブルに着いています。

立ち上がった彼が

「お初にお目にかかります。弟のテッドと申します。いつも兄がお世話になっております。」と挨拶してくれました。

「はじめまして。こちらこそ、アルフレッド様にはお世話になっております。

今日はお屋敷にお招きいただきありがとうございます。」

「堅苦しいのは無しにして。これから度々顔を合わせる事になると思うし、

それに今日は僕も一緒にご馳走になれるんでしょ?」

「もちろんです。あんまり自信が無いんだけど…。

これから仲良くして頂けたら嬉しいわ。」

「仲良くしてくれるのは嬉しいが、何事も程々にな。」

「分ってるよ。兄さんが妬くような事は多分しないから。」

「そこは『絶対に』と言ってくれ。」

「自信ないかも...」

「『絶対に!』だ!」

「冗談だよ。それより早く頂こう。せっかくのご馳走が冷めてしまう。」

初めてのアルの家族との食事です。緊張して、料理の味が分かりません。

でも、アルもテッド君も「美味しい」って食べてくれたから、とても幸せな気持ちになりました。


予定しているエピソードも残り三分の一を切りました。

頭の中で纏まっていても文章に起こすのって難しい・・・ 。

明日も1話は投稿しますので,

出来ましたら閲覧、よろしくお願いします。m(_ _)m


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