⑯ 冒険者、やってみたいそうです。
週末、なぜかニコニコ顔のジーク様と冒険者ギルドのカウンターに並んでいる。
左にジーク様、右にアル。両手に美男?
「何も他国へ来て態々《わざわざ》冒険者登録なんてしなくても良いのでは無いですか。」
「他国だから自由が効くんですよ。自国にいたらそんな暇はないですから。」
「暇つぶしなら他にあるでしょう。どこかの視察とか、騎士団の見学とか。」
「では、ギルドの視察と冒険者の実戦を見学しますよ。」
両横からの応酬が凄いです。
「登録したばかりですから薬草採取から始めましょう。」
「いや、私の事は気にしないで。いつもの依頼を受けてもらって構わないですよ。」
「せっかく登録されたんだから、是非、薬草採取体験してください!」・・・アルの圧が凄いです。
てなことで森の入り口の安全な所で薬草を探します。
「これが需要の多いドークダミです。」「これは疲れを癒してくれるカモムール」
「リリィってさシアン語ペラペラだよね。どこで習ったの?」
「えっ、そうですか?嬉しいです。そこを見込まれて雇って頂いたので。」
「愛称で呼んで良いって誰が言いました!」
「怖いな、リリィの番犬。アルフレッド様は雇ってないからお引取り頂いて構いませんよ。」
「雇われてないから好きでここにいる。愛称で呼ぶのは許可されてないでしょう!」
「え~、良いよねえ。リズの友達は僕の友達って事で。」
「ええと、まあ友達はみんなリリィって呼びますけど・・・」「じゃあ僕も友達って事で。許可もらったよ。」
「ううう~っ」
「リリィのご両親は?」「割と近い町にいますよ。」
「何してる人?」「冒険者です。」「いつから?」
「ずっとですね。」「いつから?」「私が生まれる前から。」
「もういいだろ。しつこいと嫌われて友達関係解消されるぞ!」
「あっ、それは困るから最後の質問。僕と付き合わない?」
「お断りだ!!!俺の前でよくもぬけぬけと!」
「ははは、面白いね彼。ああこの国の面白い物って彼?」
「「そうです。」」
「納得できたなら帰国ってください。」
「ほんと、冗談が好きだなあ。アルフレッド様は。」
ジーク様は一般枠の留学生なので、学生寮に滞在されている。
学園まで送るのが本日の臨時のお仕事。
当然過保護?なアルも一緒で賑やかな道中となりました。
門でお別れする時に不満顔のアルに耳打ちします。
「両親は私のこと、アンナって呼んでるんです。だからアルも二人の時はそう呼んでくれると嬉しいわ。」
ぱっ、と目を輝かせた彼が手を振って「また週明けに」と、帰っていきました。
・・・私って、たらし?
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