⑬ 街歩きデートです…か?
立ち上ると「こっちだから」と言って、そのまま手を引かれながら歩き出す。この状態だと迷子になる心配はありませんが、頬が熱くなってきました。
「あのー」と声を掛ければ、「もうすぐだから」と返ってきます。
誰か知り合いに見られたら噂になるんだろうなぁ。先日のケティーの事が頭をよぎります。
兄でした…では無理があるし、従兄妹ってのも噓くさい...てな事を考えてたら「此処でいい?」彼が立ち止まりました。
「わあ~物語に出てきそうな雰囲気ですね。テラス席とかも素敵です。」
「反対側は川に面していてバルコニー席を予約してあるんだ。」「楽しみです。」
店内に入ると可愛い制服のお姉さんが席に案内してくれました。
「嫌いなものとか、食べられないものある?」
「いいえ、なんでも食べますよ。食べた事があるものなら。」
「そうか、じゃあ、本日のランチのメニュー、お任せされていい?」
「はい。お願いします。自分だと迷ってしまって、なかなか決められない性格なので。」
「そうなの?そんな風に見えないよ?じゃあ、本日のお勧めSコースランチで…」
飲み物とデザートを選んで注文します。
「高級感もあるのにカジュアルで入りやすそうなお店ですね。よくいらっしゃるんですか?」
「誤解されるの嫌だから正直に言っちゃうけど、初めてなんだ。リリィを誘ってからジェフ...最初の出会いの時、君に声掛けた奴、あいつは付き合いが広いから…教えてもらったんだ。僕は今まで同じ年代の女の子と二人で出歩くなんて、領地にいる妹とくらいかな。」
「わぁー、妹さんがいらっしゃるんですね。私一人っ子だから羨ましいです。」
「ああ、あと中等科に弟もいる。騎士になりたいらしい。」
白磁のお皿を彩った、美味しそうな前菜が運ばれてきました。
「お誕生日とランクアップおめでとう。」
成人したのでこのくらいなら、と、コースに付いてきた食前酒で乾杯しました。
運ばれてくるお料理の事とか、友人の話とか何気ない会話をしながら食事を楽しみます。
「この後ちょっと街を歩こうか?それとも何か予定ある?」
「いいえ、嬉しいです。ここへ来てからあまり街中を散策する機会がなかったので。」
「じゃあ、案内役を買ってでるよ。まあ僕も女の子が喜びそうな所はあまり知らないけどね。」
「私も学園に通ってる普通っぽい女の子の好みは解らないかも…」
「そういえば、他の街から来たの?なんで冒険者やってるの?」
「色々と込み入った事情があるんです。」「僕が聞いてもいい事?」
「内緒にしてくれるなら…いいかなって思ったりもするけど・・・」
「じゃあ、リリィの彼氏になったら教えてくれる?」
爆弾宣言に成りうる言葉が落とされました。
お読みいただきありがとうございました。
明日の投稿は夜に2本の予定




