24、拘束
先週投稿できなくてすみません。
今週月から金まで滞納もしていたので毎日投稿します。
時間が左右するかもしれないですけど、ご了承ください。
戦いから1週間が経った。
空母4隻を持っての殴り込み。最初は奇襲も上手く行き、いい滑り出しを出せたが、最終的に想定より多くの被害を出す結果になった。
白神は最終的に大きな損傷もなく帰ってくる事ができた。今は次の作戦に備えて、港に停泊している。
私はというと、今回の戦いでたくさんのことを学ぶことができた。それでも全部上手くいったかと言うと、内容で言ったら殆ど失敗の様なものに感じた。
少なくない乗組員を戦死させたという結果は変えることができない。それは本当に私の艦長としての練度不足だと思う。
見知った友人が死んだわけではないけど、それを本当に痛感した。
コンコンコン
考え事をしていると、ドアをノックする音が聞こえた。
私の部屋に来るなんて、十中八九、渡辺中将の部下しかいない。私はそんなことを思いながら、返事をした。
「どうぞ」
「失礼します。渡辺中将から、15時までに出頭せよと報告が、」
「報告ありがとう...下がっていいよ」
「失礼します」
ガチャ
「はぁ〜」
作戦が終わって以降、私が提出した報告書について何回も呼び出された。殆どの人が一昨日までには宿舎から解放されているのに、私だけ拘束される始末。
乗員を死なせたり、もっと上手くできたと思う所もあるけど、嘘を報告してるつもりはない。それなのに何回も呼び出しをくらって、宿舎に拘束されるのは、作戦で気が滅入ってるっていうのに、余計心身共に疲れた。
「...」
机に何もせずただ横になっていると、外の景色が良く見えた。
青空が広がり、葉の少なくなった木の幹の周りを小鳥が飛んでいた。何も考えていないような、辛いことなど何もなさそうな、そんな小鳥が2匹戯れている姿をただただ眺めていた。
視点を上に動かすと、壁に掛かった時計が自然と目に入った。時間は14時55分。
目を瞬きさせて、何回も時計を見る。しかし何回見ても、時間はさっきと同じで変わらなかった。
「...まずっ」
私は急いで椅子から立ち上がって、渡辺中将のいる部屋に向かった。
幸い、急いで廊下を走っている時に、誰とも出くわさなかったのはラッキーだった。
渡辺中将の部屋が見えてきて、走るのをやめる。腕の時計を見ると時間は14時58分だった。
私は渡辺中将の部屋の扉の前で一呼吸置き、ドアをノックした。
「入れ」
「...失礼します」
部屋の中から低い声が聞こえてくる。
それはどことなく怒っているような声で、私は入るのに少し躊躇した。それでももうノックしたのだから、入らざるおえない。私は少し遅れながら返事をし、部屋の中に入った。
「遅い!今は何時だ」
「っ、15時丁度です」
「海軍たるもの、五分前行動は当たり前だろ!お前は士官学校で何を学んだ。そんなんでは部下に示しがつかんだろ!」
「すみません」
「...」
渡辺中将の言葉が、視線が、私に突き刺さる。
中将の言っていることは全く持って当たり前の事だし、変えられようのない事実だった。そんな中で今私ができることと言ったら、ただ謝って頭を下げる事だった。
長い沈黙の間、私はただすっと頭を下げつづけた。すると、渡辺中将の溜息が聞こえてきた。
「はぁ~、...もういい。坂本君がそういう人だとわかっただけだ。本題にうつろう」
「...はい」
中将は私の失態だというのにすぐに本題にうつってくれた。だけど、その前の中将の、失望したような呆れたような声が私の耳の奥に響いた。
「君にはマルイカムイ島に向かって、物資輸送をしてほしい。詳しい事はこの紙に書いてある」
「え、」
中将は片手に紙を持って、こちらに差し出してきた。
私はてっきり、また報告書絡みで言われるとばっかり思っていた。そうかと思えば、任務の話で驚いた。
「ん?どうした。早く受け取れ」
「あっ、はい。すみません」
受け取った紙を見ると、本当に任務の事について書かれていた。疑っていたわけではないけど、そう思うぐらい報告書で呼び出されたから、紙を見て、本当だったんだなと思った。
「渡辺中将」
「なんだ」
渡辺中将は少し不機嫌そうな顔でこちらを見てくる。
「質問なんですが、私はいつまで宿舎に残ればいいんでしょうか?」
「...ははは、そうか。そんなに出たかった。することもない。帰っていいぞ」
私は怒られても仕方ないと思う事を言った。そしたらどうだ。中将は笑って、帰っていいぞと、私が答えて欲しかったことをすんなりと言ってくれた。私はそれにただ驚くことしか出来なかった。
「...ありがとうございます。...失礼します」
やっと宿舎から解放された。作戦に参加してから、まともに休みを取れていなかったから、嬉しいはずなのに、全くそういう気にならない。
私は小さなバックを手に持って、宿舎の外を歩いていた。
周りに見えるのは、夕日に照らされた久しぶりに見る街の風景。だがどこかそこに馴染めない私がいた。
「はぁ〜」
ただただ歩いていると、突然私を呼ぶ女の人の声が後ろから聞こえた。
「七海」
「え、」




