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第12話 試験勉強 後編

300pv&ブクマありがとうございます!!

初投稿でここまで読まれるとは思ってませんでした!!

引き続き、評価やブックマークしてくれるとめちゃくちゃ喜びます!!




『――人類の誕生は、二百万年前。魔界南部の密林地帯である。』


………。


……いやいや、待て待て。


魔界?



 教科書の冒頭からこれだ。 

 出オチ感がすごい。

 地球の世界史なら「アフリカ」だけど、この世界ではいきなり“魔界”がスタート地点らしい。


 そもそも魔界とは、なんだ?

 お、教科書の欄外にあるじゃん。


『魔界……中央大陸と外海の外側に広がる、未知の大陸。』


 ……なるほど、暗黒大陸的なやつか。


 この世界の人類の住む大陸の外に海があって、そのさらに外側にも大陸がある。

 この世界の人類史はファンタジーRPGを地で行ってるな。


 さらにページをめくる。

『人類はかつて魔界にいた二足歩行の魔獣――マグカプが進化し、中央大陸に移住したことに由来する。』


 ……マグカプ?

 響きは可愛いけど、魔獣からこの世界の人間は進化したのか.....

 教科書の挿絵を見ると想像より禍々しい獣が出てきた。


 なんと言い表せば良いんだろう……猿と狼のハイブリッドみたいな感じか?


 黒い毛皮、長い手足には鋭い爪。頭部は猿だが、顎部が異様に発達し、まさに狼のよう。

 こんな生き物に遭遇したら生きるのを諦めるレベルだ。


 異世界人はこんな化け物から進化したのか……

 というか、「人類の祖先は魔獣でした」なんて、進化論どころか世界観がパワープレイすぎる。


「《マグカプ、愛嬌のある名前ですよね?》」


!?


「うわっ、女神様……いつの間に。」


「《冬夜さんが難しい顔をしていたので。》」


「ええ、まあ……確かに名前は可愛いです。名前だけは………。」


 僕は再び挿絵を見る。こんなん中世ヨーロッパにいたら絶対悪魔呼ばわりされてるやつだ。

 ポ◯モンにいそうな名前の癖に地球上のどの動物よりも恐ろしい見た目をしてるし。


「「ええ、黒い毛皮、長い腕、鋭い爪。前傾姿勢でもふもふ。」」


「……最後の“もふもふ”は絶対に解説いらないですよね。」


 もふもふならいっか、とはならない。

 みんなも一度見てほしい、普通に怖いから。



***


 ――駄目だ、情報量が渋滞してる。

 勉強開始から1時間、まるで打ち切り漫画の冒頭みたいな説明攻めだ。

 初手これでは先が思いやられる。


 とりあえず、概要をつかもう。リソース配分を間違えると確実に詰む。



 ページをさらにめくる。

 すると、衝撃の一文。


『10万年前、月の魔力が濃い中央大陸に移住した人類は、強い魔力を持つ旧人類へと進化した。』


 月………魔力………旧人類???


「《ここからが重要です。中央大陸には“天使”が住んでいたのです。》」


「天使……ですか? 宗教画に出てくる、あの羽の?」


「《その通り。非常に高い魔力と不老不死の肉体を持つ存在。かつて人類を“管理”していたのです。》」


不老不死? 管理????


 そんなの人類が勝てる相手じゃないだろ。

 これ、世界史というより神話書では?


 だが、教科書には続きがある。

“天使との独立戦争”。


 ・・・今から10000年以上前、人類最後の国家シャルル王国と前天使の大戦争。


 別名"天界大戦"。


「……まさか、戦争して勝ったんですか?」


「《ええ。おかげで人類は急速に発展したのです。》」


 いや、それ人類強すぎない?

 不老不死の化け物の軍勢、どうやって倒したんだよ。


 ……ひとまずそれは置いておこう。

 つまり、天使は神話の象徴じゃなく、実在してた支配者階級ってことね。



『前文明時代――約1万年前に世界連合軍と天使との間で独立戦争が勃発し――』


「《はい、試験範囲です。“人類独立宣言”は必須暗記ですね。》」


「……了解しました。しかし……血生臭い歴史ですね。」


「《その分、人類は強くなったのです。》」


ページ数を確認すると、400ページオーバー。

試験範囲は8~50ページ。

文字と挿絵がギッシリ詰まったページを見て、背筋が凍る。



「……まずは授業プリントの太字を叩き込みます。教科書全文は……現実的に無理です。」


「《さすが冬夜さん。効率的で現実的な判断です。》」


「ありがとうございます。では、集中します。」


 ……試験まであと数日。

 大丈夫だ。この世界の人類も不老不死の軍勢を滅ぼした。

 なら、僕にだって完全初見の知識の軍勢を捌くことくらいなんてことないはずだ。

 異世界版世界史を制する戦い――負けられない。

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