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第67話 バノムロッジvsレトファリック、寄生能力と妖精の加護

ゲームのNPCと人間であるプレイヤーの意識が入れ替わった話。ゲームマスターの思惑で第3サーバーダンジョンカジノでの生き残りを賭けた勝負が始まった。ゲームマスター緋戸出セルはマニーレックと勝負する事が明かされた。レトファリックの対戦相手である元最多国統治者バノムロッジはエターナルガーディアンのスキルでレトファリックの攻撃を防いだ。レトファリックはスキルを熟知した相手に対してどう対抗するのか。

バノムロッジはスキル、永遠の防御を使用して自分の体を電気から守った。

レトファリックは攻撃が効かず、驚いていた。


「つ、強い。魔法の攻撃も効かないなんて。どうやって討伐すればいいんだ。」

しかも相手は何か別の動きを封じる能力を持っているようだ。


レトファリックはチームのツキレニーに警戒を怠らないように訴えた。


「気をつけてくださいツキレニー。バノムロッジはまだ様々な攻撃を備えています。」


バノムロッジは相手のスキルを見て感想を述べ始めた。


「強いね。カードのスキルを駆使して魔法を扱える上に他の生物に寄生して逃げたり擬態して逃亡することも可能とは。生き残る術を確かに持っている。」


バノムロッジは森林を歩き、レトファリックらに近づきながら、話を続けた。


「だが、やはりまだ青二才だ。時間停止や雷の能力など天変地異の能力の方が強いだろう。君はまだ足りない。」


レトファリックはバノムロッジの言葉に答えながら逃げていた。


「バノムロッジさん。あなたは15の国を統治したDESSQ内の億万長者だと聞いています。僕が持っていないカードのスキルの事もたくさん知っているでしょうし、強いスキルの見分け方も知っているでしょう。」


バノムロッジはレトファリックの言葉にわずかに笑みを浮かべた。


「おや、私のことをよく知っているようだね。確かに、私は強力なスキルの選び方も、どのスキルが最強かも熟知している。」


バノムロッジは片手を軽く振り上げると、その周囲に黒紫色のオーラが渦巻き始めた。


「だからこそ分かる。君のスキルは悪くないが、まだ洗練されていない。戦術の幅が狭い。」


レトファリックはバノムロッジの動きを見ながら、必死に逃げながら次の一手を考えていた。直接的な攻撃は防がれる。ならば——


「ツキレニーさん、位置を把握されない場所に向かい距離を取ってください!」


ツキレニーはすぐにレトファリックの意図を察し、後方に下がる。


バノムロッジはそれを見て、軽く舌打ちをした。


「賢い判断だが、無駄だよ。RozESLYのスキルには探知能力があってね。対戦相手場所を把握できる。」


バノムロッジが地面を踏みしめると、黒紫のオーラが広がり、周囲の空間がゆがんだ。RozESLYは催眠能力を発動した。


「サーペントスリープ。蛇の力を使って催眠を賭ける能力です。これであなたがたの動きをまた封じます。」


その瞬間、レトファリックとツキレニーの身体が再び硬直し、意識が重くなる。


「くっ……!」


ツキレニーは必死に抵抗しようとするが、身体が言うことを聞かない。


バノムロッジは余裕の表情で、ゆっくりと歩み寄る。


「私のスキル『統治の威圧』では、無理だった。であればRozESLYの催眠蛇の能力で動きを封じるまでだ。精神を揺さぶるわけではなく、催眠で寝させて戦意を喪失させる。君たちのスキルでは突破できない。」


レトファリックは必死に思考を巡らせた。冷静に分析するんだ。確かにバノムロッジのスキルは強力だ。しかし、完全に無敵ではないはず——


「……ツキレニーさん、心の結界を使ってください!」


ツキレニーの目がかすかに揺れた。


「ミンディアシールド……!」


ツキレニーがスキルを発動すると、純白の光が彼女の周囲に広がり、精神への干渉を遮断する結界が形成された。


「ほう?」バノムロッジは興味深そうに目を細める。


「精神系スキルを無効化する能力……だが、それではRozESLYのサーペントスリープを突破できない。」


レトファリックはすかさず行動に移る。

「ファイアユニコーン!」


雷の球がバノムロッジに向かって飛ぶ。しかし——


「エターナルガーディアン。」


再び防御のスキルが発動し、雷撃はバノムロッジの前で弾かれた。


「やはり効かないか……!」


バノムロッジはゆっくりと手を前に出し、さらに威圧感を増していく。


「やけくそか。君たちの足掻きは見事だが、決め手に欠ける。さて、どうする?」


レトファリックは唇を噛みながら考えた。このままではジリ貧になる。ならば、一か八かの作戦に出るしかないとバノムロッジに思わせた。レトファリックがレッサーパトラの3を使用してあらかじめ、妖精を多重分身させていることに気づいた。


「こやつらは、先ほどいた妖精。どういうことだあの時倒したんじゃなかったのか。」


レトファリックはバノムロッジの言葉に疑問を解消させるかのように答えた。


「寄生スキルと魔法、メモリアルダークを組み合わせることで、倒したモンスターに寄生し、分身することができる。」


バノムロッジは相手の思惑に気づきESLYと共にその場を離れようとした。


「分が悪い。ESLY一旦距離を取れ。」


RozESLYは、バノムロッジの言葉に疑問を持った。


「なぜですか。ここにレトファリックとツキレニーがいるじゃないですか。」


バノムロッジはESLYの質問に素早く答えた。


「先ほどまでな。ツキレニーは確かにそこにいる。しかし、レトファリックは先ほどまで自分の体に寄生して、それから周りの妖精を分身させ寄生してどこに本体がいるか分からないようにした。」


ESLYはバノムロッジにもう一度質問をした。


「でもここにツキレニーがいるなら彼を人質に取ればレトファリックも姿を現すのでは。」


バノムロッジは彼女の質問に首を横に振った。


「フェアリーフィールドだ。妖精族のモンスターが多数いる時にしか起こせない特殊スキル。その能力はあらゆる特殊状態スキル、魔法を無効化する。今回はRozESLYのサーペントスリープもスキルに入る。」


RozESLYはバノムロッジの言葉を聞き、近くの妖精たちに気が付いた。


「これが妖精族の特殊スキル。ということはツキレニーも今催眠にかからずに動ける。」


RozESLYはツキレニーの方向を見たが彼女はいなかった。木陰に隠れて攻撃の準備をしていた。

レトファリックは大声でツキレニーさんを呼んだ。


「ツキレニーさーん……僕に、あなたの力を貸してくださいいいい。」


ツキレニーはレトファリックの真剣な眼差しを見て頷いた。


「……ええ!行きます月光閃光。」


ツキレニーさんは先ほど狼モンスターを倒して得たスキル月光閃光を使用した。

キレニーは月光を凝縮して、周囲の敵に強力な光の一撃を放つ。光の刃は敵の防御力を無視し、直接ダメージを与える。この攻撃は特に闇属性や目に見えない敵に対して強力で、暗闇の中でも敵の位置を正確に捕えることができる。催眠という闇魔法系のスキルを使用していたRozESLYには効果があった。


「ぐあああああああ。申し訳ありませんバノムロッジ様。」


RozESLYは妖精が多数見守る場所で倒れ込んだ。


バノムロッジは倒れるRozESLYを見ながら彼は大声で言い放った。


「ESLYの雄姿しかと目に刻んだ。だがまだだESLY、立つんだ。ここからは2対1ではだめだ。レトファリック、ツキレニー貴様らの攻撃中々強力だ。ここからは魔法撃ち合戦になるだろう。私も今までに覚えた魔法を駆使して戦おう。」


レトファリックは倒れたRozESLYが再び立ち上がったため、自分も人間の体になっ

て再び戦おうとした。レトファリックは自身のカードを確認し、最も適したものを選び取った。


「モルホデフタの3……妖精の寄生能力解除!」


レトファリックは妖精が辺りを埋め尽くす状況をそのまま維持したまま、人間の姿になった。彼は人間に戻るとその瞬間、魔道具によりレトファリックの魔力が跳ね上がる。


「カメレオンの7、エンシェントハット。コールドボール。ウォーターボール。ファイアボール。ホワイトボール。ブラックボール。ライトニングボール。」


「準備は万端ということか。統治の威圧も、サーペントスリープも使えないのでは単純な力の殴り合いだ……!」


バノムロッジはレトファリックを見て、初めて少し表情を引き締めた。「魔法か。面白い……やってみるがいい。」


果たして、どちらが勝利を引き寄せるのか——


戦いの行方は、まだ誰にも分からなかった。






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