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第64話 アルグレット、ウェルジーナ、ドゴスペラ王国クラン民を鼓舞する。

ゲームのNPCと人間であるプレイヤーの意識が入れ替わった世界の話。第1サーバー第2サーバーにいるプレイヤー、仮NPCにゲームマスターが生放送を始めた。衝撃発表としてゲームマスター緋戸出セルがゲームに参加することと死んだ人間を生き返らせるカードモンスターがいる事を伝えた。その後ゲームマスターは人間の死に対する考察を話始め元NPCからの手紙を読み始めその内容の重さに人間も口をつぐむ。

ゲームマスターは手紙を読み終えると人間の皆に質問をした。


「果たして私のしたこととこの手紙に書いてある内容のどちらが酷いだろうか。」


ゲームマスターの言葉に人間は口を噤んでいた。


「それは、NPCをゲームマスターが管理しないのが問題じゃないのか。」


「それは悪かった。確かに私たちがNPCにしたことは酷かった特にエレミル王国。

でもあなたもたくさん人を殺しているじゃない。実験してる気分なんでしょ」


ゲームマスターは彼らの言葉に応答した。


「あまり君たち自身の行動を自覚できていない者が多いな。」


すると、ゲームマスターはスクリーン越しに広がる群衆に挑発的な視線を送り、笑みを浮かべた。


「だが、一つ警告しておこう。このカジノでのゲームは、今まで以上に君たちの判断力、覚悟、そして運命を試すものとなる。失敗すれば、君たちの命はもちろん、復活の希望も永遠に閉ざされる可能性が高いだろう。そして勝利すれば――」


そこでゲームマスターは一瞬言葉を区切り、期待を煽るように人々の反応を見回した。


「勝利すれば、第4サーバーへの道を示そう。復活のスキルを持つカードモンスターの居場所のヒントと、さらなる特権である新しいカードモンスターのスキルを与えよう。だが、全員が勝利できる訳ではない。命を賭けた選択が待っている。果たして君たちの中にそれを成し遂げられる者が誰なのか、楽しみにしているよ。」


緊迫した空気が場を支配し、仮NPCやプレイヤーたちの間に不安と期待が入り混じる中、ゲームマスターは最後の言葉を告げた。


「では新たな章を始めよう。私のいるカジノに来られる人間の参加者が、この運命のゲームに挑戦できる。誰が現れるか、非常に興味深いものだね。君たちの決断を待っている。」


ゲームマスターはさらに言葉を重ねた。


「ここからはハードモードだ。この放送が終わると第1サーバー、第2サーバーに機械兵を送り込む。君たちはダンジョンカジノに挑戦しますかという質問に答え、第3サーバーに向かうことになる。第3サーバーには多くのステージがありそこで争いが生まれる。ダンジョンカジノはそういう場所だ。」


ゲームマスターは最後にゲームについて述べた。


「ここから先に安寧はない。君たちの本気楽しみにしている。」


その言葉を残し、画面がフェードアウトしていくと、彼の姿は完全に消えた。しかし、彼の言葉はプレイヤーと仮NPCたちの心に深く刻まれ、再び静まり返った場には、それぞれの決意が芽生え始めていた。


第2サーバーVARMARD PARADOX アニープ都 獅子川宙炊ら。

獅子川宙炊はゲームマスターの行動に乗りきだった。

「レベル100の機械兵、アムステルと戦うのも面白そうだけれど、やっぱりプレイヤー同士で戦う方が面白いと思うんだけどどうだろう。」


瀬高は獅子川の意見に賛成だった。しかし、一つ気がかりがあった。

「ち、血潮見レタスさんはどうすればいいでしょうか。ふ、ふ、負傷した状態だとこの先の戦いも厳しいものになると思います。」


瀬高の発言に血潮見は反応した。


「俺の事は気にしなくていい。大丈夫だ。自分で何とかする。」


血潮見の言葉に式部が口を開いた。


「なんとかするっつってもその体じゃ難しいんじゃないか。」


櫻木命斗も落語はせず神妙な面持ちでいた。


「ふむふむ。難しい。回復して傷を修復できればいいのじゃが。」


式部、櫻木の言葉を受け獅子川が方針を打ち出した。

「ならば第3サーバーにはいかずここで血潮見の傷を修復できる者がいないか探そう。元NPCのエルフでも元プレイヤーの人間でも探せば一人くらいはいるはずだ。

機械兵が来るまで時間がない。急ごう。」


それから獅子川らは血潮見のため、傷を癒せる者がいないか第2サーバー中を探し回った。


同時刻。アルグレット諸島王国


クランのリーダー、アルグレットマシアルが同じクランの者に説明をしていた。

「今回の第3サーバーでのダンジョンカジノの戦いは熾烈なものになるだろう。皆自分の身を守るよう動け。私たちアルグレットクランが団結すればどんな困難だろうと乗り越えられると信じている。」


アルグレットのリーダーは話を続けた。


「我々アルグレットクランは、ただの戦闘集団ではない。お互いを信頼し、支え合う強い絆を持っている。それが、どんな困難な状況においても私たちを勝利に導く力となる。第3サーバーでの戦いでは、誰一人として孤立させない。全員が共に戦い、共に生き残るために手を取り合おう。各自、冷静さを保ちながらも、最大限の力を出し切る覚悟を持って臨んでほしい。そして、何より重要なのは、クランの名誉を守ることだ。私たちの団結力こそが最強の武器だと信じ、戦場を駆け抜けよう。」


リーダーの言葉にアルグレットクランのものたちは次々に賛同した。


「「「おおおおおお」」」


その頃、ウェルジーナ王宮


ウェルジーナ・レフィナが今回のゲームマスターの思惑とダンジョンカジノの戦いについて同じウェルジーナクランの者に話していた。


「今回のダンジョンカジノでの戦いは今までの戦いとは比べると確実に厳しいものになります。ゲームマスターの発言から考えると今回の戦いはクラン同士というより元プレイヤー、現仮NPCの人間同士、一人単位の戦いになる可能性が高いです。各々のスキルや能力が最大限発揮されることを祈っています。」


ウェルジーナ・レフィナは話を続けた。


「ゲームマスター緋戸出セルの狙いは、私たちクランの結束を試し、内部に不和を生むことかもしれません。ですが、ウェルジーナクランの力は個々の能力だけでなく、我々が一丸となった時に発揮されるものです。仮NPCとしての立場がどうであれ、我々は元プレイヤーとしての誇りと、仲間との絆を決して忘れることはありません。この戦いを乗り越えれば、ゲームマスターの思惑を打破するだけでなく、クランとしても一層強くなることができるはずです。各々が自分の力を信じ、同時に仲間を信じ、絶対に一人で戦わないこと。協力し合い、最強の勝利を手に入れましょう。」


ウェルジーナ王国の民は彼女の言葉に熱烈に感謝した。


「ありがとうございます。レフィナ女王。」


「頑張ります。ウェルジーナクランの一員として。」


同じ待機時間。ドゴスペラ王国。


ドゴスペラ王国の国王の一人、ペラット・レミスもクランへの説明を行っていた。


「ドゴスペラクランの民へ。ドゴスペラ王国の国王はご存じの通り4人いる。此度は私、ペラット・レミスが今回のダンジョンカジノの戦いの詳細を話そう。」


ペラット・レミスは話を続けた。


「今回の戦いだがおそらく少人数のチームを組んで戦うようだ。ワープする場所の座標を解読しそのような結論に至った。皆生き残れるように、バランスのいいチームをそれぞれ結成しダンジョンカジノに臨んでくれ。また、おそらくスキル、超能力、魔法を使った戦闘になるだろう。相手が魔法を使うのであればすぐにその場から離れ時間を稼いだ方がいいだろう。同じドゴスペラクランの者として皆の戦いでの栄光を期待し祈っている。」



第1サーバーリバーライド・シャトール王国


レトファリックはその場にいたツキレニーとともに画面を凝視していた。


「私たち第3サーバーのダンジョンカジノで生き残れると思いますか。」


レトファリックは少し自信がない様子だったが、ツキレニーに悟られないよう笑顔で振るまった。


「大丈夫。僕はカードのスキルを3つ持ってる。きっと戦力的にも生き残れると思ってるよ。」


ツキレニーさんがレトファリックの手を優しく握った。


「手震えています。強いスキルを持ったレトファリックさんでも緊張するんですね。」


レトファリックはツキレニーの言葉に見破れた事に少し驚いていた。


「やっぱり敵わないな。ツキレニーさんには。」


レトファリックは顔を両手で叩いて目を覚ました。


「よし、じゃあ第3サーバーダンジョンカジノに行こう。」


レトファリックは画面に表示された第3サーバーダンジョンカジノに挑戦されますかの質問にはいと答えて送信した。





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