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黄色い目のローズ  作者: リオ
3/4

多忙なゼット

夜の8時、ゼットは鏡の前で身だしなみを整えていた。


「髪型もばっちり、香水もばっちり。今日も俺は完璧だぜ」


つぶやいてゼットは部屋を出た。

階段を降りて、シューズクローゼットから磨き上げられた焦げ茶のブーツを履き、家を出た。


夜の森は暗く、フクロウが鳴いていた。

ゼットはドアから3m離れてしゃがみ込んだ。全身の力を抜いた直後


ドンッ


地面を思いっきり蹴って、カタパルトのように飛び出した。

その跳躍は森の木々よりも高く、水平距離20mを一度に進んだ。


「今日もかわいこちゃん達が俺を待っている」


ゼットは鼻の下を伸ばしながら15分かけて飛ぶように跳ねて町まで向かった。


ザザッ


4mの高さから町の入り口に着地した。

肩についたほこりを払って、明々した町に入っていく。


「あぁ~ゼットぉ、今日も来たのー?」

酒場のデッキ席から赤ら顔の女性がジョッキを持ちながらゼットに声をかけた。


「サラちゃん昨日ぶりだね」


親しげに顔を寄せてゼットが答える。


「ゼットが来てるわ!」


一人の女性が指さすとたくさんの女性がゼットに駆け寄ってきた。

ゼットに女達を取られた男達はさみしそうに酒を飲み直した。


あっという間に駆け寄ってきた女達に囲まれるゼット


「お前達そんながっつくな、まずは酒を飲まなきゃな」


ゼットは女達を引き連れて通い慣れた酒屋に向かった。


「おい!!ゼット!!今日こそは酒の付け払ってもらうからな!!」


ゼット達が酒場に着くなり大将がカウンターから叫ぶ。


「そんなこと言わずに飲ませてやりなよー」


一人の女がゼットの味方をする


「お前達はこの後お楽しみがあるかもしれねぇがこっちはタダ酒飲ませっぱなしなんだ!もう我慢ならねぇ!」


大将がカウンターから出てくる。

ゼットは一人の女に耳打ちした。


「おわっ!」


耳打ちされた女が大将に口づけする。


「今日の一杯はそれでよろしく頼むぜ」


ゼットは空になったカウンターで勝手にジョッキにビールをつぐ。


「ふざけるなよゼット!!」


口紅で赤くなった口で大将は叫ぶ


「今日仕事が入ったんだ。次来るときにはちゃんと払うからよ」


そう言った後、テーブルについてビールを仰ぐ。


「次は絶対払ってもらうからな!!」


大将は不服そうにカウンターに戻った。


その後ゼットはさらにタダ酒を5杯飲み、町の出口に勝手に建てた小屋で数人の女と体を重ねた。

朝方、ひとしきり楽しんだ後女達に見送られながら家に帰った。

朝の6時頃、家に着いたゼットは音を立てないようにドアを開けて、階段を上り自室に入り昼まで寝た。




「あーー!リスが落ちてくるーー!」


森で昼寝をしていたところ、顔にリスが落ちてくる夢を見ていたローズはぼさぼさの髪で飛び起きた。

ローズは子どもみたいな夢を見て起きた自分を少し幼く感じてへこんだ。




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