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黄色い目のローズ  作者: リオ
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視線

ローズの恋する男キャラのゼットの初登場です。かっこいいけどちゃらちゃらしたやつなんです。


「ローズ、この花をあなたにあげる」


まぶしい光の中に、ふわりと長い明るい髪と白く優しい腕が見える。手には花束を持っている。


きれい。いつかこの女神様に会いたい。


女神がローズの頬に手を触れようとする。


その瞬間、目が覚めた。


いつもの夢、今日も心地よかった。


私は、夢を名残惜しく思いつつ、長い髪を後ろで結んで一日の支度を始める。

今日は遠くの木こりの家に行かなければならない。

昨日、銀色のやつが降ってきたときの破片で、カーマルさん家の窓は壊れたし、ドガさんの家の支柱は折れる寸前。家の修理のために木材が必要なのだが窓は直せても、支柱になる木を切り倒すには骨が折れる。

だから、木こりに頼みに行くのだ。


「お父さん、準備できた?」


「ああ、今行く」


父と二人で村をでて山道に入る。


木こりの家はへんぴな森の中にある。町に行くには遠すぎるし、木ばかりで見張らしも大して良くない。

お父さんが言うには、そんなところらしい。

きっとそこに住んでる木こりは人目につきたくないんだろう。


村を出てから山道を2時間ほど歩いていた。


「そろそろ休憩するか」


「うん」


私と父は小さなラグをしいて、水とパンを取り出した。

気分はピクニックだった。


「ローズ、お前は恋人なんていたことないよなぁ」


「当然じゃない。村からほとんどでないもの。」


私は森が好きだ。町には服を買いに行ったり、金物をそろえたりしにいくだけだった。町には人ばっかりで動物がいない。人が嫌いなわけではないけれど恋愛なんて縁が無かった。


「もう21歳だろ?恋人が居ないと父さんは心配だよ」


「いい人が居ればすぐに射貫いてみせるわよ。私目も大きいし、髪だって毎日カーマルさんに褒められてるのよ」


「そうだな。お前は俺に全然似ずにかわいく育ったよ」


パンを食べきって私たちはまた森を歩き始めた。


正午ぐらいに木こりの家に着いた。その家は山の傾斜にたたずんでいるのに全く傾いておらず、家の壁には細かい装飾が所々に掘られていた。美しくて小さな宮殿のように見えた。


父がドアをノックする。


「セオニタ村から来たゴードンだ。ワイガさんいるかい?」


その呼びかけからすぐにドタドタという足音が聞こえてドアが開いた。


「おーー、ゴードン。久しぶりだなぁ」


ワイガは父より背が低くてずんぐりむっくりしていて鼻が大きい。


「昨日村で大変な事があってな、そのせいで家が二軒壊れちまったんだよ」


「そりゃ大変だ、中で話そうか」


ワイガにテーブルと椅子のある部屋に招かれて、椅子に座る。ワイガがコップを机に並べていると


「この椅子息子さんが作ったのかい?」


「あぁそうだよ」


「よく出来てるなあ、こりゃいい腕持ってるね」


「腕は良いが、人がなあ」


ワイガが顔を曇らせる


「ちょっと前までは木を切ったり、掘ったりに夢中だったのに最近は町に遊びに出てばっかでな」


「町に?ここからだとつくのは夜だぞ」


「若いってのはすげえよな」


「若いなんてもんじゃないと思うが・・・」


馬みたいなやつ。私はそう思った。


それからは壊れた家の話が続いた。家の大きさなどを聞いて、どの木を使うか決めるらしい。

長々と続く話に飽き始めていたところ、ドアが開く音が聞こえた。


「親父ー帰ったぞー」


若い青年の声が玄関の方から聞こえる。


「遊んでばっかりのお前に仕事だ、ちょっとこっち来い」


青年がテーブルのある部屋に入ってきた。


「おおーゼット君。ずいぶん大きくなったなー」


その青年はゼットと言うらしい、髪は短く黒色で身長は父よりもずいぶん高くて180cmは超えていそう。腕にはしっかりとした筋肉がついていて、全身もがっちりしている。それに対比して甘いマスクと青い瞳を持っていた。

私はちらちらとゼットとコップを見ていた。


「おっちゃん誰だっけ?」


「そーだよなー、ずいぶん小さかったもんな」


ゼットのそっけない返事に父が軽く涙を浮かべる


ゼットが私に視線を移した。


「親父、この子は?」


「ゴードンさんの娘のローズさんだ。お前と同い年じゃないか?」


「へぇ~」


ゼットは私の方を見てにやにやしていた。多くの女性にもそうしてきたように感じるその視線がうっとうしい。


テーブルを四人で囲んで家の修繕について話し合っていた。

まじめな話をしてるのにゼットは気づけばこっちを見ているし、私は全然集中することが出来なかった。


夕方に話は片づいた。明日の朝、村に戻って近くの木を使って家を修繕することになった。

なので今日はワイガの家に泊まることになった。


「今夜の夕食はローズが作ってくれないか」


「私は全然良いけど」


父が私に提案する。


「おお、頼むよ。最近はまともな飯を食ってないからな」


ワイガはうれしそうにキッチンへ案内してくれた。


「材料はトマトとにんにくとパスタね、鹿肉もある。じゃあミートソースパスタにしよう」


大きな鍋に水をはってパスタを茹でる。慣れた手つきで材料を切ってフライパンで炒め、ゆであがったパスタを絡めてできあがり。4枚の皿に盛り付けてテーブルへ運ぶ。


「良いにおいだ。めちゃくちゃうまそうだ」

 

ワイガは食べる前から絶賛している。


真っ赤なソースがパスタに絡みつく。ゼットがフォークでパスタを持ち上げて口に運ぶ。


「うまい!!」


向かいの席でゼットが口の端にソースをつけて唸る。


「料理ちょーうまいんだな、ローズちゃん」


「ありがとうございます」


私とゼットの会話はこれだけだった。

黙々と食べる私とゼット。

食事中はワイガとゴードンが若い頃の話を楽しそうに話していた。


食事が終わると私は来客用の部屋に案内された。小さな窓とベッドだけの部屋だが壁の装飾が美しい。


「ほこりっぽくてすまないね」


「いえ、全然大丈夫です」


ワイガが部屋から出る。

部屋は小さいランタンで柔らかく照らされていた。

私はベッドに寝転がった。


「ちょっとそっけなかったかな」


夕食の時の会話を思い出す。若い男の人とほとんど会話をしたことがないから緊張していた。自分の料理を褒めてくれたのだからもっと笑顔で返事をしたかった。ゼット、背が高くて顔も良い、けれどいかにも遊んでいそうな雰囲気だった。一途でまじめな人が理想の私にとって、彼はそれにはほど遠く感じた。


私はランタンの光を消して目を閉じた。


場面描写をしたいのにうまくできない。

心理描写を増やしたいのに思いつかない。

ワイガの家はログハウスみたいなのを想像してるんですけどつたわりましたかね。想像がしづらいところがあれば教えてください。


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