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8.胸がダメなら太ももで。

「さてと、それじゃあ、家に帰るけど、どうする?」


店を出て街の外門まで来て俺とイザナは立ち止まった。


「うん、そうだね。どうしよっか。」


「...........?どうかなされたのですか?」


俺とイザナのやりとりに首を傾げるメイド服のサヤナ。


「んー、いやな、俺達の家はここから少し離れててさ、俺とイザナならともかくお前たち3人をどうやって連れて行くかをさ。」


距離にして300㎞。それも途中に崖だの山だのを幾つも挟んでいる


サヤナとアリスは獣人で身体能力が人より優れているといってもイザナのように鍛えていなければとても簡単な道のりではない。人間のフィオルに至っては論外だ。


「やっぱりおんぶが一番じゃない?」


俺がうすうす、そしてウキウキして考えていた方法をイザナから提案してくれた。


「やっぱりそうだよな。となると俺がサヤナだよな!!」


「なんで?」


「そりゃあ......、」


おんぶ。おんぶをすればもちろん胸は俺の背中に当たる事になる。


それがサヤナ程のものになれば感触だって物凄いものだろう。


それを300㎞の道のりの間ずっと堪能出来るなんて.............考えただけで幸せな気持ちになれる。



なんてこの3人の前で言えるはずもない。


「そんなの、嫁に出来るだけ楽をさせたいなっていう心遣い以外に何があるってんだよ。」


...いや、子供は2人いるから実際の所はそう大して楽でもないか。


「.............本音は?」


「い、いや、今言ったのが本心ですがっ?!」


流石に220年連れ添ってるだけあって鋭いな.............。


だが、ここで折れる訳にはいかない。会ってそうそう俺の頭が下心で一杯なんて思われたら、主人として、そして父親としての威厳がなくなってしまう。


「.................。」


「.................。」


「じゃあ、そういう事にしといてあげる。でも気にしないで。サヤナちゃんくらいなら別に重さじゃないから。ハルトはアリスちゃんとフィオルちゃんをおぶってあげてよ。」


.................え?


「.....いや、でも、」


「大丈夫だから。」


「.............はい。」


アリスとフィオルの太ももで我慢させて貰います...。


でも、2人か.......、


「おんぶだと2人は無理だし、抱っこの方が運びやすいと思うんだがどうだ?いいか?」


両腕に一人づつ持てば2人抱える事ができる。そしてそうすれば2人の太ももを両手でそれぞれ味わう事が出来るのだ!!


「うん!.....です。」


「......わたしは...なんでも...。」


そうかそうか!


それじゃあ、遠慮なくっ!


「よいしょっと。」


俺は2人をひょいっと抱き上げた。


こうして2人の女の子を抱き抱えるのは初めてだが、プニプニ柔らかい太ももはもちろんの事、落ちないように2人が俺に抱きついてくるこの感じ。


「たまらんな。」


「「???」」


「あ、いや、なんでもない。イザナの方はどうだ?」


そう言ってサヤナをおぶっているイザナの方を見てみる。


比較的小柄なイザナに、すらっとしたサヤナ。


一見、上下逆じゃね?と思ってしまうバランスではあるが、ちゃんとおんぶは出来たようだ。


まぁ、筋力に関しては俺以上のイザナがおんぶくらい出来ないはずはないか。


「ん、問題ない。サヤナちゃんおっぱい大きくて柔らかい。」


.............いや、言わなくてもわかってるよ?


いちいち当て付けのように報告しなくても大丈夫だ。


「じゃあ行くぞ。」


あえてイザナをスルーして俺は走り出した。後ろからイザナもちゃんと付いてきている。


慣らす為にもまずはジョギング程度に時速40キロ程で走ってみる。


俺自身は幼女2人抱えようが何の問題もないが、抱えられている2人が耐えられるかを試しているのだ。


「どうだ?どこか痛かったり苦しかったりするか?」


「へいき、です。」


「.....だいじょうぶです。」


「それじゃあ、これから少しペース上げるぞ。できるだけ揺らさないようにはするがもし辛かったら言ってくれ。」


「わかった、です。」


「...........はい。」


2人に確認をとると、俺は一歩強く踏み出し一気にスピードを上げた。


時速180キロといったところだろうか。


ゆっくりと走っている馬車の隣を一瞬で追い越し駆け抜けていくこの感じはたまらなく気持ちいい。


2人は前方を見ると風で目が痛いからか、後方を走るイザナの方を楽しそうに眺めている。


この調子なら大丈夫そうだな。


そうして俺たちは山を越え崖を下り川を飛び越えて秘境の地にある我が家へと帰ったのだった。


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