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7.新しく女の子がうちに来るそうです

「......................えーっと...。」


「ハルトがちゃんと断らないから...。」


「えっ?!俺のせいか!?」


どちらかと言うと何の助け船も出してくれないイザナのせいなのでは......。


「なぁ、イザナ。あの店員さん何言ってるか聞こえるか?」


奥行きのある店だけあって一番奥に行かれては声が流石に聞き取れない。


獣猫(ルーキャット)族は目はいいけど、耳は人並みにしか良くないの知ってるでしょ。サヤナちゃんなら聞こえるんじゃない?」


「そうなのか?」


確かにうさ耳を見る限り良さそうではあるな。大きいし。


「はい、獣兎(ルーラビット)族の耳はどの種族よりも優れていますので。ですが...。」


「ん?なんて言ってるんだ?」


何やら言いにくそうにしているサヤナを見ると余計に気になってしまう。


「......あのお客様は相当お金を持っている、何処かの貴族に間違いない、これを機にとりいって召使いになれ............と。」


「..............ひでぇな。」


俺が呆れていると、何も聞かれていなかったとでも思っているのだろう店員さんが戻ってきた。


「お待たせしました。事情を話すと娘も喜んで承諾してくれました。どうかあの子の面倒をお願いします。」


「............なぁ、なんかあの子を担保に受け取る感じに話が進んでるけど、俺は分かったなんて言ってないぞ?そもそも店員さんの娘だって...........、」


そんなのは嫌だろう。と続けようとした俺の前に大きな鞄を両手で抱えたフィオルが現れた。


「.....................えーっと?」


「...........いきましょう。」


行きましょう、じゃねぇよ!


「お前は嫌じゃないのか?」


「.........人はいつか親元を離れて独り立ちするもの。...........それが遅いか早いかというだけです。」


うん、確かにそれは間違ってない。間違ってないけど、これだけは言える。それは今じゃない!


「えーっと...........何で俺の所に来ないといけないか分かってるのか?」


「...........?それはお金をたくさ.....「すいません!この子はまだ8歳で担保がどういうものか理解出来てないようで」...........担保?」


おい、今お金をたくさん持ってるからって言おうとしてたろ..........。



「.............なぁ、イザナ。この状況どうするよ?」


いつまで経っても助け船を出してくれる気配のないイザナにこちらから助けを求めてみる。


が、


「もう面倒くさいし、担保受け取ればいいんじゃない?そんな事より早く帰らないと夕飯の支度遅れちゃうんだけど。」


「え.............っと。」


まぁ、分かってたよ?


イザナが面倒くさがりで、さっきから夕飯の事考えて静かになってたのは分かってたよ?!


220年も一緒に暮らしてたから分かってたよ!?


でもさ.........俺が頑張って断ろうとしてるんだからそこは合わせてくれよ.......。ほらぁ、店員さんがもうフィオルを受け取ってくれるって超喜んでんじゃねぇか。


「あぁ、もう、分かった、少しの間だけ娘さんを担保として預かる。それでいいんだな!」


「はい!今度来店なさる時にはお釣りの方をを用意しておきますね!...........フィオル。」


「.........なに?おかあさん?」


『ちゃんと奉仕して取り入るのよ。貴方は私に似て可愛いんだから、なんとかなるわ。』


よくもまぁ、獣人のいる所でヒソヒソ話なんて出来るな。


俺も耳を魔法で強化さえすれば容易に店員さんの声を聞き取れた。


「.........うん、分かってる.........。この身体を使ってご奉....「とにかく、頑張るのよ!」..........?、うん。」


そうして俺は服を買いに来て女の子を預かる事になるのだった。


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