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6.担保?.........いらないけど.........。

「ご主人様、これでお願いします。」


イザナと適当に駄弁っていると服を選び終えたサヤナが商品を持ってきた。


薄手のシャツやキャミソール、それにパンツ。


パンツは他の商品で隠してはいたが、ちゃんと10着の商品を持ってきているか確認する為にあえて一番上にもってくる。


サヤナは「あっ........」と顔を紅くしているが、俺は別に下心があってした訳ではないのだから仕方がない!


「よし、ちゃんと10着あるな。店員さん、これ全部でいくらだ?」


「お買い上げありがとうございます。そちらのメイド服が12万ダベル、そしてこのキャミソールが4万2千ダベル、それにその他の商品をまとめまして、26万3千ダベルになります。」


っ?!


随分高いな。


服ってそんなにするのか?


普段動き易さに重点を置いて、安っぽい物を纏っているから女性服の基準がよくわからない。


まぁ、多少高くても質さへ良ければ何の問題もないが。


俺はポケットに手を突っ込んでまだジャラジャラと入っている硬貨を一枚取り出した。


「じゃあ、これで。」


「え、白金貨ですか?!........あの、申し訳ございませんが、これだとお釣りを用意しかねます。」


「........て言われても他に持ってきてないからな...。」


もう一度ポケットに手を突っ込んで他の硬貨を何枚か取り出して見せるが、全て白金貨だ。


「え、えーっと、どうしましょうか.........。」


どうしましょうと言われてもな、釣りはいらねぇ、なんて言ったらイザナに怒られそうだし........。


イザナは金は沢山あっても無駄遣いをやけに嫌う傾向があるからな。


まぁ、無駄遣いはしないに越したことはないのだろうが。


仕方ない。


「じゃあ、またこの店を利用させて貰うからその時にでも釣りをくれるか?」


「お客様がそれで良いなら大丈夫ですが、何か担保を用意しますね。」


「担保?そんなの別にいらないって。」


「いいえダメです!お釣りを用意出来なかったこちらの失態で、お客様にリスクを背負わせてしまうのは客商売をしている私のプライドが許しません!」


「そ、そうか........。」


店員さんの気迫は物凄い。


これがプロ魂というやつなのだろうか。


本当に担保はいらないが、ここは適当なのを担保に預かった方が早く話がつきそうだな。


「それで?何を担保にするんだ?」


「えーっと、そうですね、何がよろしいでしょうか........。」


店員さんがキョロキョロと店の中を見回したその時、カランと扉が開かれて1人の女の子が店に入ってきた。


「ただいま。おかあさん。」


お母さん?あぁ、店員さんの娘か。


目元なんかがどことなく似ている気がする。


「あら、もう随分と売り込みが早くなったわね。はい、これお小遣いよ。」


店員さんは娘からお金を受け取ると、その中から1割ほどを娘に返した。


「あ、すいません、この子は娘のフィオルです。...............あっ、」


人見知りなのか、店員さんの後ろに隠れているフィオル。店員さんは娘を俺に紹介すると何か思いついたようでパンと手を合わした。


「いい事を思いつきました!この子を担保にしましょう!」


おい。


あんた親だろうが!なに娘を担保にしようとしてんだよ。


フィオルも「担保?」って首傾げてんじゃねぇか!


「あの、流石にそれはまずいんじゃないですかね?なんなら担保なくても良いって言ってるんですし。」


「そういう訳にはいかないとこちらも言ってます。そうですよ!この子を担保にするのが一番いいじゃないですか!」


一番悪いの間違いじゃないですかねっ!?


娘を担保にしようとか正気かよ。


「フィオル、ちょっと話があるから付いて来なさい。」


と俺が呆れているうちに店員さんは娘であるフィオルの手を引いて店の奥へ入っていった。


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