第十四話 冒険者登録
到着した町は、最初の町よりも大きめで、人も多かった。
イルラの町というようだ。
「さて、と。ギルドはあっちだね」
木の看板に文字が書かれた場所にイーノが向かう。リーン、ユートも続いて行った。
ギルドの中では冒険者と思しき筋肉質の男達で賑わっていた。
イーノを先頭に受付に向かうと桃色の髪の女性が出迎える。
「いらっしゃい、ようこそギルドへ。どういったご用件ですか」
笑顔で好感の持てる女性だ。
「こっちのふたりを冒険者登録したいんだ」
「あら、新しい勇者さんね。でしたらこちらへどうぞ」
イーノの説明で受付の女性がユートを見るとすぐに奥の間へ通された。
「この紙に名前と性別、任意で年齢を書いてね。たまにエルフとか書きたくないっていう場合もあるから」
受付の女性はウインクした。
「文字は勇者の国の言葉だったらこちらで翻訳出来るから良いけど、書ける?」
「問題ないです」「大丈夫だぞ」
女性は大きな青い石を持ってくる。
「で、自分の魔法適性、武器適性とかあれば書くんだけど、わからなければこの石に手をかざしてね。診断できるから。」
便利道具のようだった。
「あと、職業だけど、黒髪の子は勇者で良いかしら、そっちの銀髪の子はどうする?」
「大丈夫です」とユート。
「リーンさんは回復魔法と支援魔法だから白魔道士で良いよね」
「あ、あぁ。」
魔王、と答えるわけにはいかなかったリーンは図らずもイーノのフォローに助けられた。