第十三話 森
森を進むリーン達3人。
しかし魔物は現れない。
「おかしいな、昨日は沢山魔物がいたのに。これじゃあユートのレベルが上げられないな」
「そんな〜」
サクサク進められるのは良いことだがレベルを上げなければならない場合、エンカウントなしはいらない。
「う〜む」
リーンは考え込む。少女の状態では威圧はそれほどないはずだが。試しに少し離れて歩いてみると、すると、ユートとイーノのほうに近づく影。
野生の魔物のオオカミLv15だ。
「ユート、構えろ。リーンさんは離れた場所から回復を頼んだ。何故かリーンさんには近付かないみたいだけど、油断はしないで」
「おぅ」
「良いぞ」
リーンは両手をふたりに向ける。支援魔法 物理攻撃1.6倍アップ、魔法攻撃1.6倍アップにしておいた。この距離でも問題ない。
「力が湧いてくるようだ」
剣を構えたユートがつぶやいた。
「ウォーターショットっ」
イーノがオオカミの動きを水魔法で止める。すぐさまユートがオオカミに切り掛かる。
オオカミが反撃しようとするがリーンの防御魔法に遮られる。驚いたようなオオカミにユートがとどめを刺した。イーノが慣れた手つきで素材をバッグにしまう。
「こんなに動きやすいのははじめてだ!」
ユートがリーンに駆けよる。
「そうか、よかったな。どんどんいくぞ!」
リーンもうれしそうだ。
途中、森の木々が折れた場所に出たときはユートとイーノは大きな魔物がいるのでは、と警戒したが、(リーンが暴れただけなので出るはずもない)近くにいないと分かり、通りすぎた。
そこから、何回か魔物と戦闘になったが危なげなく進んで次の町に到着した。