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第十二話 冒険に出発
リーンが宿に戻ると、ユートたちは起き出して朝食に向かうところだった。
「今日は雨かー。昨日は晴れてたのにねー」
「おはよう、リーンさん。朝ご飯はこれからかい?」
「……あ、あぁ、おはよう。朝餉はまだだぞ」
歩いて来る2人に一瞬どきっとしながらも、リーンは答える。雨の原因はバレてないようだ。濡れていた髪や服(寝間着)もちゃんと魔法でセット済みである。
食堂に向かい、朝食をとりながら、イーノは今日の予定を話す。
「まずは西に向かいつつ、森を抜ける。そして次の町でふたりには冒険者登録をしてもらう。ここまでは良いかな?」
ユート、リーンは頷く。
「その町はここよりも大きいから、リーンさんの服も買えるはずだ」
「私はこのままでも良いが」
「女の子をいつまでも寝間着で歩かせるわけにはいかないよ」
「だな」
というわけで朝食をとり終えた3人は準備を整え、次の町へ出発したのだった。