第十一話 戦闘スタイル決定
次の日、わくわくして早くおきたリーンは、前日の鍛錬不足を解消するべく町から離れ、昨日の森に入った。
「この辺だったら大丈夫だろうな」
今日から冒険をするといっても魔王とばれるわけにはいかない。そこでどうやって戦うか、武器をどうするかを決めるため、こっそり抜け出してきたのだ。
「まずは武器は……手持ちで一番攻撃力が低いのはこれだな」
リーンはアイテムボックスからシルバーレイピアを取り出した。なかなか形になっている。
「次に魔法か、初級で色々試してみるか」
細剣を持っていない方の手を前に掲げる、力は込めるがかなり手加減してみた。瞳の闇色の中の星が水色になる。
「ウォーター」
すると目の前に大きな水の塊があらわれる。どんどん大きくなっていく。
「まずいっ!」
大きくなりすぎた水の塊を消そうと普通の人の目には止まらぬ速さでレイピアによる連続の突きを繰り出す。
水はどんどん細かくなり、やがて雨となって森や町、一帯に降り始める。
リーンのまわりの森の木々は無残にも折られ、土はめくれあがっている。大きな魔物が暴れたあとのようだ。
「これは……いかんな」
ちょうどいい具合の手加減ができるようになるまで、攻撃魔法や物理攻撃は封印することにした。だが何もしないで冒険するわけにも行かない。リーンは回復魔法と支援魔法で冒険しようと決めたのだった。
本日最終更新。