第十話 再び宿屋
「部屋は一緒で良いとして、僕たちは外で水浴びして来るけど、君はどうする?」
「うーん、さすがに一緒に水浴びは厳しいよな?」
宿屋には入浴施設がないため、ユート達は毎日井戸で水を汲んで1日の汚れをおとしている。
「そこは心配ないぞ」
すると、リーンは目を閉じて手を前に出し拡げると、そこから光につつまれる。
「浄化」
すると、一瞬光が強くなったところで、リーンの全身がツヤツヤに。寝間着も洗いたてのような状態になった。
「うわ、便利だね。さすがに魔力の無駄使いになるから水浴びですら水魔法使わない僕とは違うなぁ」
と神官見習いのイーノ
「これぞ魔法だ!俺も便利魔法使えたらな」
ユートは興味津々だ。
「なんだ、まだまだ修行が足りんな」
と言いつつも、リーンは得意げだ。
その夜、ベッドに横になりながらリーンはユートの話していたことを考えていた。
(女神か、助けてとはいっても、ちょっかいを出したりはしてないのだがな)
勇者の召喚が多いこと、その割に一人につき女神の加護が少ないこと、色々気になることが出てきた。
(勇者について行けばそのうちわかるだろう。しかし今日は鍛錬の時間がたりなかったな)
そう思いながら、いつもの様に回復魔法を起きるまで持続させて眠る。次の日、ユートに「まさか宿屋で本当にHP・MPが回復するとは思わなかった」と言われたリーンであった。
本日四話め