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あの水平線を越えて  作者: 水野 宇海
2/9

タイムスリップ

俺がいる……。なんでだ?


寝癖だらけのもう1人の俺はパジャマを脱いで、着替えはじめた。



見えてないのか??


「あ、あのー……。」

恐る恐る聞いてみると、制服に着替えたもう1人の俺が振り返った。


「……っと、誰っすか?不審者?警察呼びますよ?」

ヤバイヤバイ、やっぱり見えてるんだ。でもなんで母さんには気づかれなかったんだ?

「いや、違う違う!!!俺は不審者なんかじゃない!お前だよ!お前!サシマカイキ!!」


ああ、何を言ってるんだ。こんなこと言っても信じてくれる訳がない!これじゃホントの不審者じゃないか!てか、なんで俺こんな所にいるんだ?俺も信じられないよ。、冷や汗ばかり出る。


「……っと、よく分かんないんっすけど、親父の会社の後輩さんですよね?酔ってるんだったら、お水あげますから帰ってください。」


意外な答えだった。そう言われてみれば、親父はよく自分の会社の後輩を家に連れて帰ってきた。

お金がない後輩に、母さんは呆れながらもその人のために夕飯を作っていたっけ。

その後に家で酒を飲んで、俺のまぁまぁ広い部屋に泊まらせてやったこともあった。


「そ、そうそう!君のお父さんの後輩!」

「お水飲みますか?」

「あ、いいよいいよ!俺はもう帰るよ。」

もう1人の俺はそうですかと言って部屋を出ていった。良かった、警察に呼ばれなくて。

でも、今帰るにしても1階に行ったらヤバイな。

どうしようか。そもそも帰る場所なんてあるのか?俺はなんで過去に来てしまったんだ?

一体どうやって来たんだ、これは夢なのか?



いや、夢じゃない。これは9年前の世界だ。

顔をつねっても、殴っても、どんなに叩いてもびくともしない。


きっと今は朝の7時頃。もう1人の俺は学校に行くんだ。とにかくここにいたらまずい、窓から飛び降りねぇと!!!






┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

そう思ってからもう15分過ぎてている。

ベランダに出たはいいけど、窓から飛び降りるなんてできる気がしねぇ!

でもそろそろ家から出ないと、母さんが布団をたたみにこの部屋にくる。もうやるしかない。


「……神様、、。俺を助けてッ!!!」





ストっ。

「……ん?あれ?」

どうやら屋根の上に降りたみたいだ。

屋根の下まで行けばもう地面はすぐそこにある。

大きな怪我はしなずに済みそうだ。良かった。



……って待てよ!俺、靴履いてない。



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