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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・騎士団でお仕事編
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チーム公爵家の話し合い

 がっつり叱られてから騎士団通常業務を終了し、ディルク・カーティス・アデイル・ヒューを連れて我が家に帰りました。


「ただいまー。父様は帰宅してる?」


 私達をラビーシャちゃんが出迎えた。


「おかえりなさいませ。はい、ご帰宅されております」


「じゃあ、父様・母様・兄様・アーク・マーサを応接間に連れてきてくれる?」


「かしこまりました」


 ラビーシャちゃんは優雅に礼をすると素早く駆け出した。


「「「はやっ!?」」」


 ディルクと私以外ラビーシャちゃんの速さにびっくりしている。うちの忍者…じゃなかった、メイドは日々成長しています。



 応接間に全員集まったところで、父が告げた。


「で、話はなんだ」


 私はこれまでの経過を報告した。


 父は無表情(多分考え中)母は…ニコニコしていて読めない。兄は…すいませんすいません、怒りますよね!そうですよね!マーサとアークは神妙な表情だ。


「ロザリンドはそれを話してどうする。何が望みだ」


「アルディン様とアルフィージ様だけならともかく、今回は陛下に賛成していただかねばなりません。特に父様とアークは陛下と幼なじみだそうですし、知恵を借りたいと思いました」


 父が俯いた。眉間にシワが…父?どうした?戸惑う私にアークが肩を叩いた。


「お嬢様に頼られた喜びを噛み締めてるだけだから」


 え?マジで?私面倒かけて申し訳ないなーと思ってたのに。俯いた父はゆっくりと立ち上がり、顔を上げた。


「…任せろ。陛下の1人や2人、私が捩じ伏せてやる!」


「父様ぁぁ!?捩じ伏せないよ!説得するんだよ!?母様ぁぁ!止めてぇぇ!!」


「ロザリンド、父ちゃんも面白いのな」


 楽しそうなカーティスに双子が同意した。


「この親にして、あの娘あり、か」


「ふは、だな」


 聞こえてるよ!全員後でしばくからね!父は母の助けもあって、なんとか落ち着きました。


「捩じ伏せる以外の意見はありませんか?」


「んー、脅迫?」


「……アーク」


「おうよ」


「なんで第一選択が捩じ伏せるで次が脅迫になるの!?今回はお願いする立場です!」


「ネタならイロイロ…」


「問題はネタじゃないから!!」


「お嬢様のためならこのマーサ、国王であろうとも仕留めてご覧にいれます」


「仕留めたらだめぇぇ!!話し合って!!」


 涙目で訴える私に、母が可愛く挙手した。


「はーい」


「なんですか、母様」


「洗脳は?」


「却下!!母様までぇぇ!!」


 母はクスクスと笑った。


「あらあら、冗談よ。洗脳は最終手段だから」


「そもそも手段に入れたらダメぇぇ!!」


「…はい」


 黙っていた兄が挙手した。


「兄様?」


「サボテンの心で、城を攻める」


「…ああ、サボテンモンスター軍団が城を襲撃…待って!国が、国が滅ぶから!罪を消すために国を消す必要はないから!!もうやだ!うわぁん!ディルクぅ!!」


 兄までとんでもないことを言い出して、ディルクに泣きついた。兄は、兄だけは我が家の常識人枠だと信じていたのに!!


「よしよし…公爵様、睨むのやめてください。席が近いからですよ。そしてロザリンドはさりげなく耳をモフらない」


 私を撫でる手は止めないが、父の冷凍ビームに地味にビビるディルク。はぅ…いい匂い…


「冗談だよ。妥当なのは交換条件かな。技術提供とかさ。僕の品種改良野菜だしてもいいよ。それで他の領地も潤えば、僕としても嬉しいし」


「兄様…」


 やっと…やっとまともな意見です!なら私考案魔具のレシピでもいいかな。


「なんつーか…」


「ロザリンドちゃんはなるべくしてああなったんだな…」


 呆れたように呟く双子。どういう意味だ。


「…今現在貴方達は非常に危うい立場です。私は貴方達の命のためなら土下座も辞さない覚悟でいるのですが」


「「すいませんでした!」」


 さすが双子。息ピッタリで頭を下げた。


「とりあえず、明日城で陛下と両殿下に謁見の手配をお願いできますか?」


「うむ。任せろ」


「ありがとう、父様。頼りにしています。皆も(内容はさておき)ありがとう」


 こうして解散になりましたが、今日は宣言通り情報収集のため徹夜でした。

 いや、予想外にヤバいネタも飛び出すし、ウルファネアの内情も確認できてなかなか有意義でした。しかし私は獣化したディルクにいつのまにか寝かしつけられ、気がつくとベッドで寝ていました。覚醒した私はディルクに苦情をいいました。


「モフモフさせて寝かしつけるなんて、ディルクの卑怯者!めちゃくちゃ幸せな感触でよく寝ちゃいましたよ!でも次からは起きるまで添い寝してください!寂しかった!」


「あー、うん」


 呆れる徹夜した元諜報員騎士達と、困惑したディルク。あえて空気を読まず、ディルクを抱きしめます。


「うん。充電完了。今日は頑張りましょう!」


 お城で殴りこみ…ではなく、交渉です!

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