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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・騎士団でお仕事編
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ドーベルさんの居ない騎士団

 ドーベルさんが騎士団を辞めました。


 そこからでした。全ての歯車が狂ったのは――――



 こんにちは。ロザリンドです。とりあえず言わせてください。




「どうしてこうなった!?」




 私の作戦はこうでした。夢で未来を見せたらどうだろうか。ドーベルさんが居なくなり、キチンとした書類がなくなればどうなるか。実際体感させれば、理解するのではないか。ロザリア協力のもと、天啓・未来予測でシミュレートしたまでは多分よかった。

 急ごしらえだったんで、騎士団が崩壊していく後は特に作らずオートにしたんです。それが多分いけなかった。

 現在は庶務課メンバーで共有中の夢を見ていたのですが…


「あああ、嫁に捨てられ、娘がぐれた!」


 脳みそ筋肉軍団は家庭も蔑ろだったらしく、勝手に不幸になっています。騎士団崩壊だけでなく、家庭まで崩壊していく!!ああ、借金までして…早まるな!自殺はダメ!!


「ロザリンド!早くやめてあげて!」


「うん!最後の仕上げだけするね!」


 私の意思に空に浮かび上がるドーベルさん(お釈迦様風)


「ちょっとおぉ!?」


 流石に叫ぶドーベルさん。はっはっは。諦めてください。


 空に浮かぶドーベルさん(お釈迦様風)は言いました。


『皆さんの不幸はきちんと書類仕事をせず、家庭をかえりみなかったからです。これは、今後起こりえる未来です。これからはきちんと書類を書いて、提出してください』



「…せめて使うなら使うと言ってくださいよ」


「言ったら断ったでしょう」


「…断りましたね」


 おや?地響きが…近づいてくる!?


「うおおおお!!」


 扉を破壊しかねない勢いの脳みそ筋肉軍団が部屋に押し寄せ、ドーベルさんを取り囲みました。とっさに武器を構えようとしたら、ディルクが首を振った。


「殺気はないし、敵意もない。様子を見よう」


 私が頷いた、その直後に事件は起きた。









 脳みそ筋肉軍団は、一斉に土下座した。練習したのかと思えるほどに揃ったうえ、綺麗な土下座だった。


「すまなかった!」


「辞めないでくれ!」


「俺達が悪かった!」


「妻に捨てられたくない…」


 夢が予想外に効いた模様です。ドーベルさんは最初囲まれて怯えた様子でしたが、すぐにいつもの調子で話しかけた。


「あの、辞めません。僕、騎士団好きですから。これからきちんと書類書いてくれれば、それでいいです」


「おお、そうか!」


「皆、ドーベルを胴上げだ!」


「え、ちょっと!?」


 脳みそ筋肉軍団はドーベルさんをわっしょいして行ってしまった。あまりの光景に硬直したが、ドーベルさん居ないと仕事にならないよ!


「ドーベルさぁぁぁん!!」


 脳みそ筋肉軍団には予想外に素早く、ドーベルさんを巻き込むわけにもいかないので捕獲できませんでした。

 結局本人が自力で帰還しました。


「…酷いめにあいました。高いわ怖いわ荒っぽいわ…」


 尻尾が股下にきてます。本当に怖かったんですね。私もエルフの村でやられましたが、怖かったです。


 それから騎士団では書類の書き方講座がひらかれ、書類はかなり改善。ちゃんとした事務職も入り、私以外は助っ人も不要になりました。

 余談ですが、あの夢のおかげで家族関係が改善したご家庭もあったとのこと。よかった、よかった。

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