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朝の騒動

 朝、目が覚めるとディルクはまだ寝ていました。無防備な寝顔を見つめ、幸せを感じているとディルクが起きた様です。とっさに寝たフリをする私。


「…ロザリンド?」


 甘くて優しい声がして、そっと私の髪を手がすいていきます。私を撫でる手は優しく、そっと目を開けると幸せそうな笑顔のディルクがいました。


「おはよう」


「おはようございます」


 手早く身支度した私は失念していました。マーサが来て、普段通り挨拶をしました。マーサがベッドをみてなにやら硬直しています。


「ついに成し遂げたのですね、ディルク様!今夜はお祝いですね、お嬢様!!」


「「え?」」


 シーツを見て、私は一瞬でマーサの誤解に思い当たりました。


「違うから!鼻血だから!!」


 シーツの血の跡を誤解したらしいマーサに説明して納得してもらうのが大変でした。

 ディルクも涙目で説明しました。







 そんな騒動のあと、朝食を皆で摂りつつ私は改めて自由な風とジェラルディンさんに昨日うやむやになった話の続きを話しました。父も参加です。予算勝ち取ったそうで報酬は国から。これから正式に冒険者ギルドに指名特殊依頼を出し、受けてもらう形になるそうです。


「基本は我が家を拠点としていただきます。連絡はつくようにしていただきますが、任務がない場合は他の依頼をしていただいても構いません」


「情報はどこから?」


「基本は私の天啓とジェラルディンさんの天啓がメインになりますね。騎士団諜報部隊からの協力もあるかと思います。」


「了解した」


 細かい報酬なんかは父が話し、当面自由な風とジェラルディンさんは我が家に滞在することになった。




 エントランスでディルクとカーティスを見送り、自室に戻るところでジェンドに声をかけられた。


「お姉ちゃん」


「あ、ジェンド。おはよう」


 ジェンドは復活したらしく、私ににっこり微笑んだ。


「ぼく、あきらめないから。強くなって、きっとロザリンドをお嫁さんにする。男として見てもらえるようにがんばるから」


「…え?」


 流れるように去り際にほっぺにちゅーをされました。


「ええ?」


 見ていたらしい父が私の肩に手をポンと置いて言いました。


「ローゼンベルクの人間はこうと思う相手を見つけたら、そう簡単には意見を変えない。どうしても困った時は言いなさい」


「えええええー!?」


 仕事に向かう父を見送りつつ、混乱する私の叫びが我が家にこだましたのでした。

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