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神様の強化し方

 この手だけは使いたくなかったが、クラリンを戻すため。いろいろ考えた結果、私は勝負に出た。


 まず、例の神像にギミックをしかけた。天才アーティストポッチとツヨシにより1日少しずつ変化してもらうようにしたのだ。


 まあ、クラリンが某白い悪魔に近くなりつつほぼクラリンになりつつあったある日。




「なあ、神像……おかしくないか?」




 ついに信者たちは気がついた。


 むしろ今までバレなかったのがすごい。すでに9割クラリンである。服がちょっとポリゴン風味なぐらいでほぼ別物。ちなみにクラリンには影響なし。セインティアとかで祀られてるしね。まあ、ちょっと最初の方は某連邦の白い悪魔っぽく……若干四角になっていたぐらいかな。


 クラリンが完全ポリゴン化したらどうしようとか思ってたのでよかった。  


 麻薬の効果が切れてきたからもあるだろう。私だって何もしていなかったわけではない。ゴラちゃんと協力して、麻薬を少しずつ減らしてきた。今はほぼ体内から消失させている。依存についてもゴラちゃんがなんとかした。説明を受けたんだけどよく分からなくて、要は毒を司る精霊だからゴラちゃんが毒を取り込んで少しずつ治療したっぽい。

 焚かれている香やお茶も似た匂いや味の無害な薬草にすり替えている。ちなみに麻薬はゴラちゃんが食べて少し酔っぱらった。大変だったのでそちらはきちんとした機関に提出している。最初からそうすべきだったわ。



 そんなあれこれそれを思い出しつつ、私は笑顔で堂々と言い切った。



「いえ、前からこうでしたよね」


「そう、だったっけか……?」

「そうですよ!ほら、神々しいでしょう?」


 ノリで神像にライトアップしたからね。クラリン本体がアルディン様レベルでギンギラギンになると困るから、お立ち台をデコっただけだけど。

 それにしてもここまで好き勝手しても気が付かないとか色々やばくないだろうか。た、楽しくなんてなってないんだからね!


「そうだったっけか……?」


「そうですよ!これはクラリンという愛の神です」


「え?」


「貴方がたは、クラリンにより救われました。私が信仰し敬愛する、愛の神クラリンのラブパワーによって!!カモン、クラリン!!」


 神殿の天井から現れたのはレースのフリフリおパンツ……ではなく、我らが(アイドル)である。


「オーケー、ロザリン!呼ばれて飛び出てラブ(ゴッド)!!世界を救うは我らの愛!ミラクルクラリン降臨(フォーリングダウン)!!」


「ブラボー!ブラボー、クラリン!!」

「サンキュー、ロザリン!!」


「………このくだりは毎回やらないとダメなの?」


 スイが心底呆れた瞳で私を見る。


「様式美ってやつです!」


 あと、毎回セリフや出現の演出変えてるクラリンを褒めてあげないと!拗ねちゃったら困るし。


「……信者の人たち完全に置いてけぼりだけど?」


「様式美ってやつです!」


 そちらについてはむしろそのほうが好都合なのでヨシなのです!私は教祖の元へクラリンをエスコートしつつゆっくりと歩く。


 私が今全力で威圧しているので、誰も動けない。


 そして、教祖に私は………。


「はじめまして!ロザリンド=バートンです!人を勝手に祀り上げるのマジやめてください!うっかり邪神にさせられるとこだったんですよ、私!!」


「……は?」


「貴方には死ぬほど腹立ちますけど!悪気がなかったのは理解してますし!私の偉業とやらを広めたかったのはまあいいとして!神にされたら困るし!恩返ししたいのであればクラリンの信者になってください!!」


「………へぇ???」


 あ、もしかして私=ヴァルキリーって勘違いしてる?


「ヴァルキリー!」

「ロッザリンドォォ!!」


「そもそもヴァルキリーのその雄叫び?が原因だからね?!ヴァルキリーはちょっと反省しなさい!!」


「イヤ……語呂ガヨクテツイ……」


「喋った?!」


「喋りますよ。わりと喋りますよ?意思のある武器ですから」


 ヴァルキリーは案外おしゃべりなので、私と会話する時は完全に私のほうが聞き役だったりする。

 それはともかく、教祖がようやく再起動したらしい。


「え、あの、その、も、もしか、しなくても……?」


「私がロザリンドです」


 教祖が床に額を擦り付けた。


「あ、貴女のおかげで家族が飢え死なずに済みました!!」


「うん!どういたしまして!でも邪神にされそうだから信仰するのはやめて!!」


「はい!!仰せのとおりに!!」


「クラリンを信仰して!」


「………それは、ちょっと……」


 ダメなのか。チッ、勢いでイケるかと思ったのに。しかし、ここであきらめる私ではない!なにせ、邪神になるか否かの瀬戸際なのだ。


 私はごくごく普通の侯爵夫人でいたいんです!今こそ、私の本気を見せる時!!ロザリンド!いっきまーーーす!!



 

いまだかつてない本気のロザリンドさん。ようやく信仰の押し付け先ゲットでホッとしたようです。

すいません、大変おまたせしました!

元気なんですがこの先の展開が思いつかなくて……ようやく先が見えたので、しばらくはちゃんと更新できそうです!

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― 新着の感想 ―
たしかに、ヴァルキリーよりロッザリンドって叫ぶほうが語感がいいですねw(なお叫ばないという選択肢はない模様)
「イヤ……語呂ガヨクテツイ……」 わかるわ〜 ロザリンドを呼ぶ時はロッザリンドォォォォオオオって叫ばないとねd(˙꒳˙* )
何百、何千回言ったか分からないのだけど。でも、言わずにはいられない。 どこが普通やねん!
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