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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
楽しい楽しい?新婚旅行編

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途中までは目論見どおりだった

 バーディアで大暴れしている私、ロザリンド。ディルクと兵士をひたすら制圧していたわけですが。


「飽きた」


 思ったよりここ、兵士が多いんですけど。殺しちゃったり大怪我しないように気を使うからストレス貯まるし。


「いや、飽きたって……」


「じゃあどうするの?」


「んー……」


 兵士達を無力化しつつ思案する。すると、私のポーチさんから何かが出てきた。ポーチさん……ペッとしたような気がするんだが?私は何もしてないんだが??


 出てきたのは、絶対使わないと心に決めていたドラゴンの心。


『おーい、ロザリンド』


 聞き覚えのある声がドラゴンの心からする。


「………ルラン?」


 クリスタルドラゴンの友人であるルランからだったというか、このアイテム通信機能搭載だったのか……。


『お前の新婚旅行?はいつ頃おわるんだっけ?』


「まだ先だよ。帰宅したらお土産渡す……。いやちょっと待って。今暇?暇だよね??」


『ん?』


「ロザリンド、悪い顔してる……」


「気のせいだよぉ」


 無駄な労力を使わず、平和的に『説得』する手段を思いついただけ。悪いことなんて考えてないよ!






 私の考えた作戦はこうだ。


 ルランをお菓子で買収する。

 最近バタフライローズは服飾だけでなく高級スイーツバイキングを展開している。といっても種族によりかなり食べるので上限量をあらかじめ決めてある。不安だったがバタフライローズの高級スイーツが沢山味見できると大好評。足りなかったお客様は帰りにお土産としてケーキを買ってくれているよう。味がわかるのでお土産として購入する人や後日買いたいというお客様もいる。

 余談だが、お腹いっぱい食べる方面は彼方さんにお任せした『粉モンカナタ』がメイン。粉モンはコスト低めだからね。


 脱線したが、そこにルラン達クリスタルドラゴンずをご招待するかわりに、バーディア周辺を飛んでもらい威嚇してもらうのだ。そうすれば向こうも強気には出られないし、戦力差に気がついてすぐ白旗を上げるだろう。

 クリスタルドラゴンはお金もちだし気に入ったら通ってくれる可能性が高い。一石二鳥じゃないかな!


 そう、私の作戦は完璧だった……はず、なのだ。

 まあちょっと思ったよりクリスタルドラゴンさん多くね?とは思った。たまたま遊びに来ていたクーリンのパパバハムート氏が来たのもまあいい。そんな日もあるだろう。





 何故か私の前には罪人のごとく縛られたこの騒動の原因である王子がいる。






「私が間違っておりました。この命を捧げます。どうか、民だけは助けてください」


 悲壮な覚悟を決めてきたのだろう。どうしよう。


「…………どうしてそうなった……」


 思ったより相手が深刻に受け止めてしまったらしい。為政者としては正しいのだが、生命とかいらない。ホイホイ差し出さないでほしい。受取拒否。


「……そりゃ、ドラゴンがいきなり大群で来て拉致されたお嬢様の名前を呼んでたら報復行動だと思いません?」


 そういえばさっきルランが私を呼んでいたような?


「いや、報復行動はやるなら自分ででしょ!?そんななんの罪もない民を虐殺したりしませんよ、私は!」


「……俺やルーならそのへんを理解するだろうけど、知らない人からすればドラゴンはとてつもない脅威だからね?」


「エッ、ハイ……?」


 とてつもない脅威……?まあそれはそう、かな?でもぶっちゃけ長生きしてるからかドラゴンってよほどやらかさないと種族的にキレないし話も通じるんだよ?今まで交流がなかったのはこっちが勝手に警戒してたからと思われる。多分無自覚だけどちょいちょい人間を下に見ててイラッとするけど……その場合ちょっと本気を出したらちゃんと謝罪してくれるし。


「とてつもない脅威が周囲を旋回して誘拐した人の名前を呼んでたら、報復行動と思うよね?」


「………まあ、その、うん」


 しかもその誘拐した人が大暴れしていたら……どう考えてもそう思う、よね?そこまでは私も予測してたわけですし。


「ドラゴンに滅ぼされるぐらいなら元凶を差し出して滅亡回避しようとするよね?どう考えても国家存亡の危機だし。むしろ的確な対処だと思うよ?最小限の犠牲で許しを乞おうとしているんだよ」


「……なるほど」


 つまり、彼らはそれなりに賢かったわけだ。これがウルファネアだとビビるものの『し、仕方ないから対話してやろう』的な反応になるのだが、鳥獣人の方が思考が人族よりなのかもしれない。

 納得はしたがどうしたものか。王子の命なんていらないし。


「その……ロザリンド、様にはバーディアを滅ぼすおつもりはない、のでしょうか……」


「国民を根絶やしにとかは考えていませんけど、そちらのしきたりに異議があります。どう考えてもそちらに非がありますし、こちらの要望をいくつか飲んでいただきましょうか」


 とはいえ、私は今休暇中なので外交担当のアルフィージ様に丸投げしよう。そうしよう。後で叱られるだろうけど、国益になること間違いなしなので文句を言いにくいだろう。


 そう考えて微笑んだ。ディルクが『ロザリンド……悪い顔してる』って言ってたけど、これは朗らかな笑みなのです。

アルフィージ「くしゅん!なぜだか嫌な予感がする……」


 アルフィージはなにかをさっした!


……なんてことがあったりなかったり。



 低速ですが地道に更新します!

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― 新着の感想 ―
[一言] クーリンパパ=パパムート、気に入っていただけて光栄です♪ どうぞドンドコ使ってやってくださいませ。
[一言] クーリンのパパ バハムート氏はもう、「パパムート」氏でいいんじゃないかと…思ったりするのですが…勝手にあだ名でも名付けちゃダメでしょうか?
[一言] いやだなぁ~~ロザリンドちゃんたら!!いくら、日本が今年『辰年』だからって、ドラゴンさん達呼ばなくたって、良いのに♪
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