アプローチを変えてみたいんですよ
ラビーシャちゃんは優秀である。とっても優秀すぎるのである。その結果、購入者のプライバシーまで暴いてきました。うんうん。そこまではいらなかったんじゃない……?
「じゃあ、またオトコハツラ遺跡に……」
「それでは芸が無いと思うんです。それに、何も予備知識無しで購入した方もいると思いますし」
「ふむ……ではどうする?」
「とりあえず、これはかなり問題なのだと『身をもって』理解していただきましょう」
喚ばれた月が首を傾げている。そう、私の得意魔法、夢で体験コーナーである。
体験内容は『ドキッ☆自分のエッチな抱きまくらを色んな人が持ってる☆』の巻と、『ガーン☆エッチな抱きまくらが家族バレした☆』の巻。豪華二本立てである。
「流石はロザリンド。えぐい」
「流石はロザリンド。むごい」
「うむ……」
「流石はロザリンドちゃんだわ」
ええ……そ、そんなに?さらに抱きまくらをご本人様に変えて差し上げる予定だったんだけど……?
「流石はロザリンド。超エグい」
「流石はロザリンド。超惨い」
「ううむ……」
「ロザリンドちゃん……やるわね」
「評価が悪化した!?」
いや、される側の気持ちがわかれば二度とあんなもの買わないと思うし。方法は間違ってないと思うんだけど??
後に、凛花は語る。家族バレは、ヲタにとって死刑宣告より惨いものであると。そういえばそうだったかもしれない。ロザリンドになってからヲタ活はしていなかったせいか忘れていた。
そう、それはまさに、母によるプライバシーの侵害。
母ハラスメント。
掃除中に見つけたエロスなアイテムをそっと机の上に置き、それを見つけた息子が悲鳴をあげる。堂々とベランダにエロスな枕カバーやタオルを干してしまい、息子の性癖をご近所さんに見せつけてしまったりとその悪行は多岐にわたる。
いや、親切なんだろうけどね?プライバシーへの配慮をお願いしますよ!
気持ちが脱線したが、そんな感じで悪夢にうなされた男達。悲鳴を上げて飛び起き、さらに自分のとんでもない姿の枕に驚き、悲鳴で家族を呼んでしまい、家族も固まった。
いやその、ご家族まで巻き込むつもりはなかったんですたい……。流石に私も申し訳ないような切ないような。
「いや、ロザリンドは彼らの命を救ったよ」
「兄様……」
「あのままだとディルクが滅ぼしたからね。面白おかしく事件を終息させるあたり、流石はロザリンドだよ!」
それはそうだろう。あられもない姿のつがいの絵を所持するだけで有罪判定待ったなし。私だって許さないもんね。まあ、少なくとも命は助かったのでよかったとしておこう。
別に面白おかしくしたつもりはないよ。真面目に考えた結果なんだよ。
「兄様、また第二第三の馬鹿は現れると思うので、対策をしておこうと思うんです」
「……対策?」
そう、奴らを撲滅したとしても、こういうものがあると知った以上、喉元過ぎて熱さを忘れた頃にまたやらかすバカがいるに違いない。
ならば、どうすればいいのか。
答えは簡単。与えればよいのだ。萌えを!!
間違えた。つまり、実在する人物でなければ良いのであーる。そんなわけで、日本からこう、ちょっと色々持ってきた。とりあえず、定番の魔法少女とかそんな感じのをポッチにアレンジしていただいた。
著作権?異世界にそんなものはありません。しかし、やはり長年日本に居た身としては落ち着かないので間を取って二次制作をしたわけだ。
とりあえず、セインティアにヲタ文化が発生した。
これが繁栄すればわざわざリスクがある実在の人物をモデルにしたものを作るまい。
一仕事終え、無事解決したよー、めでたしめでたしと思った私ですが、ここから新たに生まれる危険に気がつくことができなかった。
そう、ヲタ文化が根付いてから、眠れる腐女子が腐ヲタを増殖させたのである。
私がそれに気がつくのは、もはや収拾不可能になってから。腐海は、あなたの知らないところで少しずつ侵食しているのである。
どうしてこうなった!?
無事解決かと思いきや、次から次へと……
久しぶりのどうしてこうなった!?なのでした(笑)




