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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
楽しい楽しい?新婚旅行編

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身内の殺意がハンパない件

そんなわけでセインティアに巣食うアホを一網打尽にするため計画を考えようとしました。


 実家の応接室で父、母、兄、ラビーシャちゃん、ディルクが座っているのですが、空気が重い!!




「お嬢様、こちらが店舗一覧、こちらが経営者一覧、さらに、そいつらを匿ったセインティアの有力者一覧。流石に購入者全てはまだ追えておりません。なにぶん販売数の多さはもちろん、モノがモノですので追跡が難しく……」




 手際よく書類を並べていくラビーシャちゃん。いや、ラビーシャちゃんや、仕事が早すぎて怖いんですけど??購入者全てを追うとか無理ゲーだと思うの。そこまで罰するつもりもなかったし。




「ラビーシャちゃん」




「ぴっ!?は、はひ……」




「ラビーシャちゃんはやればできる子だと思うの」


「母様!?」




 一見にこやかに見える母の瞳は、怒りに燃えていた。いやいやいや!もうさあ、売るやつが悪いってことで販売側の大元をシメて終わりでよくないかなぁ!?




「も、もちろんでございます。もうしばらくお時間をいただけるのでしたら、購入者すべてを特定し、回収いたします!必ずや、すべて回収いたします」




「いやいや、無理じゃない?」




「ロザリンドちゃんは黙ってなさい」


「ロザリンドは黙ってて」


「ロザリンド……俺が大暴れして買ったやつが返品しないとセインティアを焦土にするのとどっちがいい?」


「手伝おう」




「手伝わないで!!」




 エロアイテムごときで国を焦土にしないでいただきたい。




「そうよ。そんな一瞬で消し去ったらもったいないじゃない。こういうのは少しずつ少しずつ削り取って一気に落とすべきだわ。いいえ、一度有頂天にさせてからがいいわね」




「流石母様」


「うむ」


「お手伝いいたします、お義母様」




「いやいやいや。それなりに罰をとは思ったけど、人生を破滅させる勢いだよね!?」




 母の笑顔が怖いんですが!




「ロザリンドちゃん」




 母の真顔も超怖いんですが!!




「は、はひ……」




「ロザリンドちゃんはだいぶアレだから平気なのね。何度も言うようだけれど、これは貴族の令嬢としての尊厳を踏みにじる最低の行為よ。普通のご令嬢なら……人生を台無しにされるの。何も悪くないのに悪評が立って、外に出られなくなるぐらいのことなのよ。ロザリンドちゃんはこう……悪評をしたお馬鹿さんを片っ端から黙らせるから問題ないけど、普通のご令嬢にそれは無理だわ」




「さり気なく私が普通じゃないとディスらないで欲しいというか……」


「ちなみにミルフィリア嬢も制作予定との情報を入手「女性の敵、許すまじ!!」




 いや、それは許されない!!清純派美少女の需要は理解するが、ミルフィはあかん!!サボテンと私の怒りでセインティアが焦土になる。




「やっとわかってくれたのね、ロザリンドちゃん」




「とりあえず、制作者と後ろ盾と販売した馬鹿は判明しているわけですし、最悪の罪を犯す前に確保しておきましょう。八つ裂きとかスプラッタとかナシです」




 緊急性は理解したけど、流血はノー!




「えー」




「代案として、女性の敵を成敗してくれる遺跡に投げこみます」




 事情を説明すれば、女性の味方であるナビコさんが間違いなく念入りに馬鹿共を更生させてくれるだろう。全力でトラウマを植え付けるに違いない。破滅したり死ぬよりはマシ……だよね??




「な、なるほど……。そうだね、あの遺跡なら……二度とこんな馬鹿なマネはしないというかできないというか、女性すら怖くなるというか……」




「……どういう所なのだ?」




「ディルクがここまで怯えるなんて……何をやらかしたの?」




「私はなんにもしてないもん!あれは元救世の聖女様、こと姉ちゃんの黒歴史だもん!」




 なんでもかんでも私のせいにしないでいただきたい!!ディルクが説明すると、兄が葛藤していた。




「捕食植物か……気になる……」




「ええと……行くならナビコさんに話を通しておきますが……あまりオススメはしません。耳飾りは絶対に忘れないように」




 運が悪いと見たくもないものを見てしまうし。男性には超危険なダンジョンだ。




「ロザリンドちゃん。破滅と八つ裂きは諦めるけど、ナビコちゃんにはお母さんがお話したいなぁ」




「ええまあ……いいですけど……」




 母が妥協してくれたので素直に頷いたのだが、私は後悔することになる。






 やはり不安だったので母を紹介してからオトコハツラ遺跡に行ってみたのだが……なんかこう、叫びがすげえんですけど!?前よりなんかこう……エグい!ヤバい!!




「マスター!マスターのお母様はとてもすごいです!この遺跡の性能をさらにアップさせてくださいました!これで、馬鹿な男たちをさらに調教できます!!」




「え……」




 うちの母がナニをナビコさんに仕込んだのか……。それは恐ろしくて聞けませんでした。とりあえずろくでもないことなのだけは間違いない。




 今日もオトコハツラ遺跡では男性の野太い悲鳴がこだましております。とりあえず遺跡に向かって手を合わせ……何も見なかったことにした。


まあ、あれですよ!悪は滅びたってやつですよ!!きっとそうにちがいない!!まだ購入者が残っているし!と私はこの件を忘れることにしたのだった。

地道に言葉が主人公の小説も書いておりますのでそちらも読んでいただけたらいいなと思いつつ、頑張って更新続けますね。


母はやはり地味に暴走いたしました。母は強しです。

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ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
― 新着の感想 ―
[一言] 苦痛が一瞬で終わるなんて生温い、長い間「殺してくれ」と懇願する環境に置けとロザリンド様は仰せです。
[良い点] 解放された後、何かに目覚めて常連になる人が出てくる可能性ありそう
[一言] ………ロザリンドとミルフィの裸抱き枕やタペストリー……観賞用と保存用と使用用で最低三セットは欲しいn…ピタッ ヒッ((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル この氷のように冷たくとても鋭く切れ味…
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