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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
楽しい楽しい?新婚旅行編

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やる気スイッチを連打して逃げます

大変お久しぶりです!新作ブーストでやる気を回復してました!

 そんなわけで、無事にシヴェリハスからの労働力をゲット!こちらの予想通り!しかし、新婚旅行に来たはずがずっと働いている気がするのはなぜだろう。


「ポッチ……」


「どうしたの?」


「シヴェリハスって、なにか名物とかある?」


「……特にはないかな」


「観光名所とか……無いよねぇ」


「無いねえ……まだ復興途中だし、僕もあんまりこっちに詳しくないし……あ、お姉ちゃん。もしよかったら新作持っていかない?お土産にどうかな」


 ポッチの絵は一財産なんだよねぇ。そんなお菓子持ってけみたいなノリで……とおもってついていったらすごかった。




 赤、青、黄色、緑、紫、桃、空、虹。



 鮮やかな世界がそこにあった。いや、ポッチさん!?明らかに腕が上がってないか!?

 壁、床、至るところに書かれた絵。鳥は今にも飛び出しそうで、花は香りが漂ってきそう。空を、風を感じる。そこには、鮮やかな別世界があった。


「ふわぁ……」


 自分の語彙力のなさが悔しいほどの美しさ。あるじゃん、観光名所!!


「お姉ちゃん?」


 ポッチの手を掴み、私は言った。


「ポッチミュージアム作ろう!!」


「ふぇ?」


「ロザリンド?」


「ポッチミュージアム作ろう!いや!お姉ちゃんが建てる!ここの絵を飾ろ!この壁に描いたやつ、同じもの描ける!?」


「か、描けるけど……みゅーじあむ??」


「よっしゃ!じゃあちょいちょいっと知り合いの魔法大工さん達のスケジュールおさえてくるね!」


 サクッと転移して、前金支払ってきた。ジェラルディンさんのお家を一晩で建てた大工さんとそのお仲間一行様ご案内!!たまたま今日はスケジュールが空いているそうで、立地や簡単なデザインの確認をしたいとのこと。


「ただいまー!」


「お、お姉ちゃん……?」


「もう前金支払ってきた!」


「あまりにも仕事が早い!というか、何をするの?!」


 そうでもないよ。丸投げするつもりだもん。お金を払うだけという簡単なお仕事です。






「みゅーじあむ、ですかい?」


 そもそも、美術品とは貴族が個人で所蔵して見せびらかしたりするものなので、美術館というものがこちらにはなかったらしい。図書館はあるんだけど、そういえば美術館って見たことなかったわ。サロンとかはあるけど。


「ええ、彼の作品を飾るための施設ですわ。入場料さえ払えば高価な絵が鑑賞し放題!気に入ったものは購入も可能としようかしら?」


 まあ、その辺りはポッチに考えてもらおう。何しろポッチミュージアムなんだもの。ポッチによるポッチのための美術館だ。


「い、いいの?」


「もちろん!お金に糸目はつけません!ジャンジャン使ってくださいね!うちのポッチの意見はすべて取り入れてください!」


「ポッチ……ロザリンドはこうなると止まらないよ。それに、あまり芸術に詳しくない俺でも君の絵は素晴らしいものと理解できる。この絵を見るために、沢山の人が来るだろう。いいんじゃないか?これも君の力だと思う」


 ディルクは私のことがよくおわかりですね。ええ、全く引く気がありません。いいじゃん、芸術家の王様!素敵じゃん!


「収益がプラスになったら、美術学校作ろうよ!」


「美術学校?」


「奨学金制度導入してさ、ポッチみたいに才能があっても絵が描けなかった子を支援するの!それで、いずれはその学校の卒業生がポッチミュージアムに絵を飾って、立派な画家になるのよ!」


 我ながらいい案だ!ポッチがいるのだし、シヴェリハスは芸術を売りにすればいいのではないかな!ポッチを見たら、めっちゃ泣いていた。

 え!?なんで!?泣く要素あった!?とりあえずハンカチを……差し出そうとしたら既にディルクが拭いてあげている。ディルクさんのスパダリ度は上昇を続けています。イケメンバンザイ。


「ご、ごめん。僕……それ、すごくいいなと思う。僕、やりたい。本気でやってみたい!」


 おお、ポッチのやる気スイッチがオンになったようだ!


「あ、ついでに宿も建てよう。高級なお宿作ろうよ!画商が滞在したり、絵を見に来た貴族が泊まれるように!本当は身分に隔たりなくがいいけど、警備の関係もあるから最初は一般向けとVIP向けに分けたほうがいいかもね。あ、ポッチの作品を見ていただけますか?その方が美術館のイメージもしやすいでしょうし」


 そして、大工さん達がポッチの作品を見た。


「ぜひやらせてくれ」

「これは俺達の、一世一代の大仕事だ」


 大工さん達のやる気スイッチもオンになったらしい。先程までとは目が違う。


「では、よく話し合ってください。お金に関しては全額私が負担します」


「お姉ちゃん、いいの?」


「頑張る弟に、私からのプレゼントです。お礼は完成したポッチミュージアムに一番乗りで招待してくれるってことで!」


「必ず素敵な美術館にする。してみせる。そして、美術学校を作る。皆に絵の……芸術の素晴らしさを知ってもらえるように頑張るよ!」


 とても清々しい笑顔のポッチ。よかったね。とりあえず、私はまだ新婚旅行中でもあるのでニャンダー達にも協力を依頼した。

 芸術部門に疎くても、彼等は集客と接客のプロ。さらにニャンダーランドで新たなインスピレーションを受けたポッチはもえていた。完成が楽しみだね!

今回は珍しく逃げ切れたロザリンドさん。新婚旅行はまだ続きます。

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― 新着の感想 ―
[一言] ロザリィったら自分から仕事増やしてるだけですしおすし(笑) 駄菓子菓子!ポッチの為のミュージアム設立とな?ヨシいいぞもっとやりたまえ!美術学校ならば彫刻や陶芸なんかもその内な!これなんか見…
[一言] そしてそのうち絵画から転じて漫画が書かれるようになり、薄い本の即売会が開かれるように・・・
[一言] 700話おめでとうございます?
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