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ハクと匂いとディルク

 ハクが来て、2週間が経ちました。ハクはなんというか…相変わらずです。毛並みはよくなったかもしれません。普段モグラスタイルなので、いまだガリガリなのかはわからず。


 働き者で、早朝からトムじいさんを手伝い、ご飯も忘れて働くので、子供達に連行されています。


「い、いただきますぅ」


 ご飯をテーブルで食べるのは相変わらず緊張するらしいですが、吐くほど食べようとはしなくなりました。食後、ハクに声をかけられました。


「ロザリンド様ぁ」


「…」


「ろ、ロザリンド様ぁ」


「ロザリンド」


「ろ、ロザリンド……さん」


「ハク様って呼ぶ?」


「ロザリンドちゃん!」


「はい。で、なんか用かな?」


「お仕事がしたいんですぅ」


「毎日働いていると思うけど?」


「ボクは土の精霊ですぅ。たくさん畑を耕したりできますぅ」


「…なるほど。領地で必要がありそうならお願いします」


「はいぃ!」


「うん。ハク、しゃがんで」


「はいぃ?」


 素直にしゃがむハクをなでなでした。相変わらず固めの毛並みだなぁ。


「いつも頑張ってくれてありがとうね」


 私が笑いかけるとハクは泣き出した。いや、むしろ号泣した。


「うぇ!?」


「うわぁぁぁぁぁん!嬉しいよぉぉ!うわぁぁぁぁぁん!」


「あ、あわわわわわ」


 嬉しい反応なの!?何が嬉しいの!?

結局、ハクは奴隷=家畜と同じで働いて当然。働かなければ死ぬという図式があり、褒められることが初めてだったらしい。それを聞いて、兄と甘やかそう同盟を設立しました。


 おやつを持ってハクを捜すと、ユグドラシルさん1階で子供達+精霊さん達とお昼寝をしていました。うーむ、リアルト○ロ。ハクのお腹に寝転びました。うむ、素晴らしいモフ心地。


「はうぅ!?ロザリンドさん、どうしたんですか!?」


「気にしないで。私も昼寝する」


「いやいやぁ、ロザリンドさんつがいがいますよねぇ、ボクの匂いがついたら多分怒りますよぉ!」


「大丈夫…多分」


 私はそのまま眠りました。










「ん…」


 目が覚めると、私の隣にはジェンドとオルド。ポッチとマリーが羨ましそうにしています。


「ぼくもお姉ちゃんとお昼寝したい…」


「お姉ちゃん…私も」


 さすがに5人は無理ではないか。ハクから下りておやつでごまかしました。結局ポッチとマリーはごまかされず、翌日一緒にお昼寝しました。


 私はハクに心配されました。


「ロザリンドさんの匂いが大変な事にぃ…」


「お風呂に入ってるし大丈夫では?」


「いえぇ、獣人はわかりますよぅ!」


「えー?」


 そんな会話をしていたらアルディン様が遊びに来ました。前回の件で味をしめたらしく、素敵なお土産ディルク付きです。カーティスも居ます。


「ディルク、お疲れ様」


「…ロザリンド?」


「ふにゃ!?」


 ディルクは険しい顔で匂いを嗅ぎます。いや、首くすぐったい!


「…ちょっと来て。カーティス、すまないが少し抜ける」


 ベッドに押し倒され、匂いを嗅がれる。胸のボタンもきわどい所まで外され、足先から太ももまで念入りに匂いをチェックされた。


「あ、あう」


 私は羞恥で涙目である。恋人にあからさまに匂いを嗅がれるとか…軽い気持ちで大きなモフモフと昼寝をしたら、まさかの仕打ち。


「なんで、他の男の匂いがこんなにするの」


 ディルクは真剣に怒っていた。獣人にとって、他の男性の匂いがする=浮気なのかもしれない。私が説明すると、ディルクは脱力した。


「ロザリンドはもう少し考えて行動して。ハクにも言われてたのに聞かなかったロザリンドが悪い」


 怒ったディルクに舐められました。…ええ、隅々まで舐められました。どこをとは聞かないでください。黙秘します。

 匂いを上書きするために、時間がないから舐めたそうです。それはもう大変な羞恥プレイでした。


 私はもう2度とハクのお腹で昼寝はしないと心に誓いました。


 ロザリンドの予想通り、他の男の匂い=浮気です。他の男の匂いが移るぐらいベタベタしてたの!?…となります。


 ちなみに種族にもよりますが、一応匂いの上書きは本能的なものです。後で我にかえったディルクがひたすら謝りました。

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ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
― 新着の感想 ―
ん?んんんん??? 獣人って子供にも嫉妬するの?子供たちってロザリンドより幼いよね? いや子供たちは生物だからともかく、ハクって精霊じゃなかったん? イマイチこの世界の精霊の定義が分からんのよな ハル…
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